相続税について知っておきたい基礎知識!

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私たちにとって身近である税の一つ相続税でありますが、この相続税はいつも急にやってくるものです。なぜなら、相続税が発生するときは誰かが死亡し財産を相続するときに発生するからです。死亡するときなんて誰もわかりませんからね…

ここでは相続税ってどんな税?誰が相続する人なの?という基本的なことをご紹介したいと思います。

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そもそも相続税って?

相続税は、死亡した人(被相続人)の財産を相続又は遺贈(遺言など)により取得した配偶者や子供(相続人等)などに対して、その相続した財産の価額を基に課される税金であります。

なんで財産が配偶者から子供に移るだけで税金がかかるの?と疑問に思う人もいるかと思います。これは、「所得税の補完機能」と「富の集中抑制機能」の2つの機能を働かせるためとされています。

所得税の補完機能…被相続人が生前において受けた様々な税制上の特典などにより蓄積した財産を相続開始の時点で清算する、いわゆる所得税を補完する機能をいいます。

富の集中抑制機能…相続により相続人等が得た財産の増加によって、相続した者としなかった者との間の財産の均衡を図るため税金を課し、併せて富の過度の集中を防ぐ機能をいいます。

誰が相続税を支払うの?

税金を支払うべき人のことを納税義務者といいますが、相続税の納税義務者は、原則として、実際に相続又は遺贈(遺言など)により財産を取得した人とされています。

相続対象者って誰でもいいの?

相続による財産を取得する人は誰でもいいのか?というとそうではありません。

民法は誰を相続人とするかを定めており、法定相続主義を採っています。

法定相続主義とはその名の通り、法律により定めた相続人に相続を行うことをいいます。 では、その相続人と相続順位はどのようになっているのでしょうか。

相続人と相続順位

民法では、相続人として、配偶者と三つの血族関係者を定めています。特徴として、配偶者は常に相続人となり、血族関係者である相続人については3つの順位を定めていることです

血族関係者の順位は次のとおりです。

・第1順位 子供(代襲相続人…孫など)

・第2順位 直系尊属(父母、祖父母など)

・第3順位 兄弟姉妹(代襲相続人…甥・姪など)

これを基に、相続人となる人は次のとおりとなります。

① 配偶者と子供(子供が相続前に死亡などしているときは、代襲相続人である孫)

② 配偶者と直系尊属(子供がいない場合)

③ 配偶者と兄弟姉妹(兄弟姉妹が相続前に死亡などしているときは、代襲相続人である甥・姪)

④ 配偶者のみ(配偶者以外のだれも相続人がいない場合)

この組合せは①>②>③>④の順で定め、例えば配偶者と子供と兄弟姉妹などといったように相続人が混在することはありません。

法定相続分

では、それぞれどのような割合で相続するのかをご紹介したいと思います。民法は、法定相続分及び代襲相続分について次のように定めています。

相続人法定相続分補足
配偶者と子供配偶者 2分の1
子供  2分の1
子供が複数いるときは、子供の法定相続分を均分する。
配偶者と直系尊属配偶者 3分の2
直系尊属3分の1
直系尊属が複数いるときは、直系尊属の法定相続分を均分する。
配偶者と兄弟姉妹配偶者 4分の3
兄弟姉妹4分の1
兄弟姉妹が複数いるときは、兄弟姉妹の法定相続分を均分する。

代襲相続分

代襲相続人となる相続分は、被代襲者が受けるべきであった相続分と同じとします。ただし、代襲相続人が複数いる場合は、その相続分を均分することとされています。

相続人は必ず相続しなければならないの?

民法では、相続が開始すると相続人は、自らの意思に関係なく被相続人に属した財産上の一切の権利義務を承継するとされています。ここでいう財産上の一切の権利義務とは、借金も含みます。

えっ…借金を相続して変わりに支払っていかなければいけないの?と思われるかもしれませんがご安心を。

相続放棄という手続き(家庭裁判所に対して放棄の申述)を行えば相続する必要がなくなります。

一般に、相続の効果を受けるかどうかの選択の自由に決めることができます。手続きとしては、相続人は、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認、限定承認又は相続の放棄のどれかをしなければならないこととされています。

ちなみに、その期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときは、単純承認したものとみなされることなります。

単純相続…被相続人の財産(借金などを含む)のすべてを相続することをいいます。

限定相続…相続財産限りで債務を清算し、なお余剰の資産がある場合に限って相続することをいいます。

相続放棄…その名の通りの一切の財産を相続しないことをいいます。

ここで注意すべきことが2点あります。 1点目は、一度した単純承認、限定承認又は相続の放棄は、原則として取り消すことはできないことです。2点目は、相続の放棄によって、法定相続分、相続人の順位が変更になる可能性があることです。

2点目についてはよく揉める原因となってしますのですが、子供が配偶者(母、父)に相続持分を与えようと相続放棄の手続きをしたとしましょう。その結果なにが起こるかというと子供はそもそも居なかったものとみなされ、相続の効果が次の順位、つまり第2順位である直系尊属(父母、祖父母など)に移ってしまうのです。相続放棄は慎重に行うことをおすすめします。

遺贈(遺言)について

遺贈とは、遺言により、被相続人の財産を相続人、相続人以外の者や法人や団体などに無償譲与することをいい、それを受ける者を受遺者といいます。よくドラマで出てくるあの遺言ですね…

遺言については民法で一定の形式が定められておりそれを満たさないと無効となってしましますので注意が必要です。

相続人が決まれば遺産分割へ!

遺産分割は、相続人が相続開始後、被相続人の財産を相続人の間で分配することをいいます。

遺産分割は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも行うことが可能であり、また、相続人間の合意に基づく限り法定相続分に従わない分割も有効であるとされています。

つまり、子供が配偶者(母、父)に相続持分をあげようとするのであれば、相続放棄をせず(単純承認を行い)、遺産(財産)放棄を行えばいいということになります。

相続放棄と遺産(財産)放棄、同じような言葉ですが、まったく違いますので注意して下さい。

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