「理容師と美容師はどう違うのか」は、美容系の仕事を目指す方によくある疑問です。この記事では、理容師国家試験の内容と、美容師との法律上・業務上の違いを整理します。
理容師とはどのような資格か
理容師は、理容師法にもとづく国家資格で、主に頭髪の刈込み・顔そりなどを含む「理容」を業として行う専門職です。美容師法にもとづく美容師とは法律上別の資格として位置づけられています。
理容師と美容師の違い
| 項目 | 理容師 | 美容師 |
| 根拠法 | 理容師法 | 美容師法 |
| 業務の中心 | 頭髪の刈込み、顔そりを含む調髪 | パーマ、結髪、着付けなど |
| 顔そり | 可能 | 原則としてできない |
大きな違いは「顔そり」を業として行えるかどうかです。理容師は顔そりを含む調髪ができますが、美容師は原則としてこれを業として行うことができません。近年は理容室でもパーマ等のメニューを提供する店舗が増えており、理容師と美容師のダブルライセンスを取得する人も増えています。
理容師国家試験の内容
理容師国家試験も、美容師と同じく公益財団法人理容師美容師試験研修センターが実施し、筆記試験と実技試験で構成されます。受験資格を得るには、厚生労働大臣指定の理容師養成施設を卒業する必要があり、美容師と同様に実務経験のみでの受験ルートはありません。
ダブルライセンスという選択
近年は理容室でもパーマやヘッドスパなど美容師寄りのメニューを提供する店舗が増えており、理容師免許に加えて美容師免許もあわせて取得する「ダブルライセンス」を目指す方が増えています。両方の養成施設に通う必要があるため時間と費用はかかりますが、提供できる施術の幅が大きく広がり、独立開業時の強みにもなります。
理容室の独立開業という選択肢
理容師免許を取得し、実務経験を積んだ後は、自分の理容室を独立開業するという選択肢もあります。開業には、理容師免許に加えて、店舗の衛生管理責任者としての知識や資金計画、立地選定など幅広い準備が必要です。近年はシニア層を中心に、顔そりを含む丁寧な調髪サービスへの根強い需要もあり、地域に根ざした理容室として独立を目指す理容師も少なくありません。
理容師養成施設のカリキュラム
理容師養成施設のカリキュラムでは、調髪や顔そりの技術に加えて、公衆衛生学や関係法規など、理容師として必要な幅広い知識を学びます。実技の授業では、モデルを相手にした練習を重ねながら、国家試験の実技課題に対応できる技術を身につけていきます。理容師として長く活躍するためには、在学中から丁寧な接客マナーを意識して学ぶことも重要とされています。
地域に根ざした理容師という仕事
理容師は、地域住民との継続的な関係の中で信頼を築いていく仕事としての側面が強く、長年通い続ける常連客を多く抱える理容室も少なくありません。高齢化が進む地域では、出張理容サービスなど、店舗以外の場所で調髪を行う形態のニーズも高まっており、理容師の活躍の場は従来の店舗型サービスにとどまらず広がりを見せています。
理容師のダブルライセンス取得の流れ
理容師免許を取得した後に美容師免許もあわせて取得する場合、改めて美容師養成施設に入学し、必要な課程を修了したうえで美容師国家試験に合格する必要があります。すでに理容師として働きながら夜間課程や通信課程に通う方も多く、時間はかかるものの、両方の免許を持つことで提供できる施術の幅が大きく広がります。ダブルライセンスを目指す場合は、働きながら通える養成施設を選ぶことが継続のポイントになります。
理容師の実技試験当日の流れ
理容師国家試験の実技試験当日は、緊張のあまり普段どおりの力を発揮できない受験者も少なくありません。日頃から模擬試験形式で時間を計って練習し、本番同様の緊張感に慣れておくことが、落ち着いて試験に臨むための有効な対策になります。
Q. 理容師は美容師の仕事もできますか?
A. いいえ。理容師免許だけではパーマなど美容師の業務を行うことはできません。両方を行うには美容師免許もあわせて取得する必要があります。
Q. 理容師と美容師、どちらを目指すべきですか?
A. 顔そりを含む調髪を中心にしたい方は理容師、パーマや幅広いヘアスタイル提案を中心にしたい方は美容師が向いているとされています。将来の働き方によって選択するとよいでしょう。
Q. ダブルライセンスの取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. それぞれの養成施設の課程を修了する必要があるため、通常は合計で数年単位の期間を要します。
Q. 理容師免許だけで独立開業できますか?
A. はい。理容師免許を持っていれば、保健所への届出等の手続きを経て理容室を開業することができます。
理容師と美容師は法律上別の資格で、顔そりの可否などに違いがあります。美容師国家試験の詳しい内容については、別記事「美容師とは?国家試験の概要・受験資格・難易度を解説」もあわせてご参照ください。

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