第一種電気工事士は、ビルや工場など大規模な電気設備の工事も行える、電気工事士資格の上位区分です。この記事では、令和8年度試験の日程と、第二種電気工事士との違いを整理します。
第一種電気工事士とはどのような資格か
第一種電気工事士は、一般住宅などの一般用電気工作物に加え、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(ビル・工場等)の電気工事に従事できる国家資格です。第二種電気工事士では扱えない大規模施設の工事ができる点が特徴です。
令和8年度試験の日程
| 区分 | 上期 | 下期 |
| 学科試験(CBT方式) | 4月1日〜5月8日 | 下期期間内で実施 |
| 技能試験 | 7月4日(土) | 11月21日(土) |
2026年度から学科試験は完全にCBT方式(コンピューターでの試験)に移行し、従来の筆記方式は廃止されています。
第二種電気工事士との違い
| 項目 | 第一種電気工事士 | 第二種電気工事士 |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能) | なし(誰でも受験可能) |
| 工事できる範囲 | 一般用+自家用(500kW未満) | 一般用電気工作物のみ |
| 免状交付要件 | 実務経験3年以上が必要 | 実務経験不要 |
免状交付に必要な実務経験
第一種電気工事士は試験自体に受験資格の制限はありませんが、合格しても免状の交付を受けるには実務経験が必要です。以前は5年以上とされていましたが、令和3年4月の改正により3年以上に短縮されました。第二種電気工事士として実務経験を積みながら、第一種電気工事士の資格取得を目指すキャリアパスが一般的です。
第一種電気工事士を取得するメリット
第一種電気工事士を取得すると、ビルや工場、大型商業施設など大規模な自家用電気工作物の工事にも携われるようになり、電気工事会社での業務範囲が大きく広がります。求人票でも第一種電気工事士の保有を優遇条件とする例は多く、資格手当が支給される企業も少なくありません。技能試験では複線図の読み書きと配線作業を時間内に正確に仕上げる練習が欠かせないため、第二種電気工事士の実技経験を活かしながら早い段階から候補問題に取り組むことが合格の近道とされています。
技能試験の実技対策のポイント
第一種電気工事士の技能試験では、第二種よりも扱う配線の規模や器具の種類が増えるため、事前に候補問題ごとの複線図を素早く正確に描く練習が欠かせません。作業時間は限られているため、工具の使い方や結線作業の手順をあらかじめ体に染み込ませておくことで、本番での時間配分に余裕が生まれます。独学に不安がある場合は、技能講習を実施しているスクールや通信講座を活用し、欠陥とされやすい施工ミスのパターンを事前に把握しておくことも効果的です。
電気工事業界での需要
電気工事士は、新築工事だけでなく、既存建物の改修・リニューアル工事や、再生可能エネルギー関連設備の設置工事など、幅広い場面で需要があります。第一種電気工事士を保有していると、大規模施設の改修工事など対応できる案件の幅が広がるため、電気工事会社の中でも中核を担う人材として評価されやすくなります。
関連資格とのダブルライセンス
第一種電気工事士に加えて、消防設備士や電気工事施工管理技士などの関連資格をあわせて取得することで、対応できる工事の範囲や現場での役割をさらに広げることができます。特に電気工事施工管理技士は、工事の施工管理や安全管理を担う立場として現場に必要とされる資格であり、電気工事士としての実務経験を積んだ後のキャリアアップの選択肢としてよく検討されています。
免状の申請手続き
技能試験に合格し、必要な実務経験を満たした後は、都道府県知事に対して免状交付の申請を行います。申請には実務経験証明書などの書類が必要となるため、勤務先の協力を得ながら早めに準備を進めることが望まれます。
Q. 第二種電気工事士を持っていないと第一種は受験できませんか?
A. いいえ。第一種電気工事士の受験資格に制限はなく、誰でも受験できます。ただし免状交付には実務経験が必要です。
Q. 学科試験に落ちたら技能試験は受けられませんか?
A. はい。学科試験に合格した方のみが技能試験に進むことができます。
Q. 第一種電気工事士の技能試験の候補問題は事前に公表されますか?
A. はい。技能試験で出題される候補問題は事前に電気技術者試験センターから公表されており、受験者はその中から出題される課題を想定して練習することができます。
Q. 技能試験の練習はどのくらい必要ですか?
A. 個人差はありますが、候補問題をひととおり複数回ずつ練習し、時間内に完成させられるレベルまで仕上げておくことが望まれます。
第一種電気工事士は、大規模施設の電気工事も扱える上位資格で、免状交付には3年以上の実務経験が必要です。関連する電気系資格については、別記事「電験三種(第三種電気主任技術者)とは?試験の概要・難易度・科目合格制度を解説」もあわせてご参照ください。

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