税理士試験は5科目の科目合格制度を採用しているため、どの科目から着手するか、どの税法科目を選ぶかによって、学習の進めやすさやその後のキャリアが変わってきます。「科目の組み合わせで迷っている」という受験生に向けて、この記事では税理士試験の科目構成のおさらいと、一般的におすすめとされる科目選択のポイントを整理します。
税理士試験の科目構成をおさらい
必須科目である会計学2科目
税理士試験の5科目のうち、簿記論・財務諸表論の2科目は、会計学に属する科目として、すべての受験生が合格する必要がある必須科目です。簿記論は計算問題が中心、財務諸表論は理論と計算の両方が出題される点に違いがあります。
選択する税法科目3科目
残りの3科目は、法人税法・所得税法・相続税法・消費税法(または酒税法)・住民税(または事業税)・国税徴収法・固定資産税から選択します。ただし、法人税法・所得税法のいずれか1科目は必ず含める必要があり、消費税法と酒税法、住民税と事業税は、それぞれどちらか一方しか選択できないなどのルールがあります。
科目選択の一般的な考え方
まずは簿記論・財務諸表論から着手するのが王道
多くの受験指導校では、簿記論と財務諸表論を同時に学習することを勧めています。両科目は出題範囲が重なる部分が多く、簿記の仕訳から財務諸表の作成までを一連の流れとして体系的に理解できるため、学習効率が高いとされています。
税法科目は法人税法から検討するケースが多い
税法科目については、会計事務所での実務での使用頻度の高さから、法人税法を選択する受験生が多い傾向にあります。法人税法は出題範囲が広く学習時間もかかりますが、簿記論・財務諸表論で培った計算力を活かしやすい科目とされています。
相続税法・消費税法を組み合わせる受験生も多い
法人税法に加えて、資産税分野の専門性を高めたい場合は相続税法、幅広い業種で必要とされる知識を身につけたい場合は消費税法を組み合わせるパターンもよく見られます。特に消費税法は学習範囲が比較的コンパクトで、実務でも扱う機会が多いことから、社会人受験生に選ばれやすい科目の一つです。
科目選択で意識したいポイント
学習ボリュームと自分の時間的余裕
法人税法や所得税法は学習範囲が広く、標準的な学習時間の目安も長くなる傾向があります。仕事と両立しながら受験する場合は、年度ごとにどの科目に集中するか、自分の可処分時間に合わせて計画を立てることが大切です。
将来のキャリアから逆算して選ぶ
相続税に強い事務所への就職・転職を考えている場合は相続税法、資産税以外の一般的な税務を幅広く扱いたい場合は消費税法や法人税法など、将来どのような分野で働きたいかを踏まえて科目を選ぶという考え方もあります。
ミニ税法を組み合わせて負担を分散する方法もある
国税徴収法や住民税、事業税などは、比較的学習範囲がコンパクトな「ミニ税法」と呼ばれることがあり、ボリュームの大きい税法科目と組み合わせることで、1年ごとの学習負担を調整する受験生もいます。ただし、実務での活用度は科目によって異なるため、慎重に検討するとよいでしょう。
科目合格までにかかる年数の目安
社会人受験生は3〜5年程度かける人が多い
税理士試験は科目合格制度があるため、社会人として働きながら受験する場合、1年に1〜2科目ずつ合格を積み重ね、5科目そろうまでにトータルで3〜5年程度かける方が多く見られます。あくまで一般的な傾向であり、学習に充てられる時間や科目の難易度によって個人差があります。
一度に複数科目を受験する場合の負担
専念して学習できる環境にある方は、1年で2〜3科目をまとめて受験するケースもあります。ただし、科目ごとに求められる学習量が異なるため、無理に詰め込みすぎるとどの科目も中途半端になってしまうリスクもあり、自分の学習ペースに合った科目数を見極めることが大切です。
よくある質問
Q. 科目の組み合わせに正解はありますか?
税理士試験の科目選択に絶対的な正解はなく、学習効率、実務での活用度、自分の得意分野など、複数の観点から総合的に判断することが大切です。迷った場合は、通っている予備校の講師や、実務経験のある税理士に相談してみるのも一つの方法です。
Q. 一度選んだ科目を途中で変更してもよいですか?
制度上、受験する科目を変更すること自体は可能です。ただし、それまでの学習時間が無駄になる可能性もあるため、科目を選ぶ段階でしっかりと情報収集し、できるだけ変更の必要がないように計画を立てることをおすすめします。
まとめ
税理士試験の科目選択では、必須科目である簿記論・財務諸表論から着手し、その後は法人税法を中心に、相続税法や消費税法などを組み合わせるのが一般的な王道パターンとされています。学習ボリュームや自分の時間的余裕、将来のキャリアプランを踏まえて、無理のない科目の組み合わせを検討しましょう。正式な受験資格や科目のルールは、国税庁の税理士試験に関する公式情報であわせて確認してください。

コメント