測量業務に関わる国家資格には「測量士」と「測量士補」があります。名称は似ていますが、業務上できることには明確な違いがあります。この記事ではその違いと、測量士になるための資格取得ルートを整理します。
測量士と測量士補の違い
測量士補は測量計画を作成した測量士の下で実際の測量作業に従事する資格であるのに対し、測量士は自ら測量計画を作成し、測量業務全体を統括できる資格です。実務上、測量業者に配置が義務づけられている「主任技術者」になるには測量士の資格が必要になります。
| 項目 | 測量士補 | 測量士 |
| できること | 測量計画に従って実際の測量作業を行う | 測量計画の作成を含む測量業務全体を担当できる |
| 主任技術者 | なれない | なれる |
測量士になるための3つのルート
測量士になるには、大きく分けて3つのルートがあります。1つ目は、国土地理院が認定する大学・専門学校等で測量に関する専門課程を修了するルート、2つ目は測量士補の資格を取得したうえで、測量に関する実務経験を積むルート、3つ目は測量士試験に合格するルートです。
| ルート | 概要 |
| 養成課程ルート | 国土地理院認定の大学等で必要な単位を修得して卒業 |
| 実務経験ルート | 測量士補資格取得後、一定年数の実務経験を積む |
| 試験合格ルート | 測量士試験(学科)に合格する |
測量士補からのステップアップという選択
測量士補は受験資格に制限がなく比較的取得しやすいため、まず測量士補を取得して測量業界に入り、実務経験を積みながら測量士を目指すキャリアパスが現実的な選択肢とされています。測量士試験は学科試験のみですが、幅広い測量理論の知識が問われるため、実務経験と並行した学習が効果的です。
測量士の活躍の場
測量士は、公共測量や土地の境界確定、建設工事に伴う測量など幅広い場面で必要とされる資格です。測量会社だけでなく、建設コンサルタント、土地家屋調査士事務所、官公庁の技術職などでも測量士の知識が活かされています。近年はドローンやGNSS(衛星測位システム)を活用した測量技術の進歩により、従来の手法に加えて新しい測量技術への理解も求められるようになっています。
測量士補からの実務経験の積み方
測量士補として実務経験を積んで測量士を目指す場合、測量会社や建設コンサルタントに就職し、公共測量や民間の土地測量業務に携わりながら経験を積んでいくのが一般的です。実務の中でGNSS測量やドローン測量といった最新技術に触れる機会も増えており、幅広い測量技術を経験しておくことが、将来的なキャリアの選択肢を広げることにつながります。
測量業界の将来性
測量業界では、インフラの老朽化対策や再開発事業にともなう測量ニーズが継続的に発生しており、安定した需要が見込まれる分野とされています。近年はドローンやレーザースキャナーを使った3次元測量技術の導入が進んでおり、新しい技術を積極的に習得することで、測量士としての市場価値をさらに高めることができます。
公共測量と民間測量の違い
測量業務には、国や地方公共団体が発注する公共測量と、民間の土地取引や建築工事にともなう民間測量があります。公共測量は測量法にもとづく厳格な基準・手続きが定められているのに対し、民間測量は依頼者のニーズに応じて柔軟に対応する場面が多いという違いがあります。どちらの分野を主に手がけたいかによって、就職先として選ぶべき企業の傾向も変わってきます。
測量業への登録要件
測量業を営むには、測量法にもとづき国土交通大臣への登録が必要であり、登録にあたっては営業所ごとに測量士を専任で配置することが求められます。独立して測量業を営みたい場合は、測量士資格の取得に加えて、この登録要件を満たすための体制づくりも事前に検討しておく必要があります。
測量士補試験の内容
測量士補試験は年1回実施され、測量に関する法規や、多角測量・水準測量などの基礎知識を問うマークシート方式の試験です。受験資格に制限がないため、測量業界を目指す方が最初のステップとして受験するケースが多く見られます。
Q. 測量士補だけでは独立できませんか?
A. 測量業者の登録には主任技術者として測量士の配置が必要な場合が多く、独立して事業を営むには測量士資格が実務上重要になります。
Q. 測量士試験に実務経験は必要ですか?
A. 測量士試験(学科)自体の受験に実務経験は不要です。ただし試験合格以外のルートでは実務経験が要件となる場合があります。
Q. 測量士試験は年に何回実施されますか?
A. 測量士試験(学科)は年1回、例年5月頃に実施されています。
Q. 測量士補の資格に有効期限はありますか?
A. いいえ。測量士補・測量士ともに、一度取得すれば資格に有効期限はありません。
測量士は測量業務を統括できる上位資格で、測量士補からのステップアップというキャリアパスが一般的です。建築系の資格については、別記事「木造建築士とは?二級建築士との違い・受験資格を解説」もあわせてご参照ください。

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