未成年者向けの少額投資非課税制度であったジュニアNISAは、2023年末をもって新規の口座開設および買付が終了しました。教育資金の準備方法として学資保険と並んで検討されていた選択肢の一つがなくなったことで、現在あらためてどのような方法で教育資金を準備すべきか、選択肢を整理しておく必要があります。
学資保険の特徴
学資保険は、契約者(主に親)に万一のことがあった場合、以後の保険料払い込みが免除されながら、契約時に定めた祝金・満期保険金を予定通り受け取れる保障機能が特徴です。返戻率は預金より高めに設定されている商品もありますが、市場金利の状況によっては返戻率が抑えられている商品も多く、資産を大きく増やす目的には向いていません。
保険料払込免除という保障の意味
学資保険の大きな特徴は、契約者に万一のことがあった場合でも、以後の保険料の払い込みが免除され、契約時に定めた祝金や満期保険金を予定通り受け取れる点にあります。これは、単なる貯蓄では代替できない「保障」の機能であり、教育資金を準備する家庭にとって、収入の担い手に何かあった場合の備えとして評価されてきた理由の一つです。
新NISAを活用する場合の考え方
2024年から始まった新しいNISA制度は、口座開設に年齢の下限がなく(未成年者は口座開設不可)、非課税保有期間が無期限化されました。親自身の名義で新NISA口座を開設し、教育資金の一部を長期の資産運用で準備する方法も選択肢の一つです。ただし、投資である以上、元本割れのリスクがある点は学資保険との大きな違いです。
新NISAで教育資金を準備する際の注意点
新NISAは非課税保有期間が無期限化された一方で、教育資金が必要になる時期が近づいた際に、市場が下落局面にあると、必要なタイミングで想定していたほどの金額を引き出せない可能性があります。教育資金のように使う時期がある程度決まっている資金を投資で準備する場合は、必要となる時期が近づくにつれて値動きの大きい商品の比率を下げるなど、時間の経過に応じてリスクを調整する考え方も重要になります。
選択肢を組み合わせて考える視点
教育資金の準備は、必要な時期が比較的明確であるという特徴があります。保障機能を重視するなら学資保険、資産の増加を狙うなら新NISAというように、どちらか一方に絞るのではなく、それぞれの特徴を踏まえて複数の方法を組み合わせて準備する考え方も広く行われています。
準備する時期による考え方の違い
子どもが生まれてすぐなど、教育資金が必要になるまでの期間が長く取れる場合は、時間を味方につけやすい新NISAなどの運用を組み合わせる余地が大きくなります。一方、進学が近づき必要な時期までの期間が短い場合は、値動きのリスクを抑えた準備方法に比重を置くなど、残された期間の長さに応じて準備方法のバランスを見直していくことが望まれます。
必要な教育資金の総額を考える視点
教育資金の準備を考える際は、進学先が公立か私立か、自宅通学か下宿かなど、進路によって必要な金額は大きく変わってきます。特定の進路を前提に金額を固定してしまうのではなく、複数の進路パターンを想定しながら、余裕を持った準備を心がけることが望まれます。また、教育資金だけに偏って準備を進めると、家計全体の貯蓄や老後資金の準備が後回しになりかねないため、他の資金計画とのバランスも意識しておくことが大切です。
祖父母からの資金援助を活用する選択肢
教育資金の準備方法としては、学資保険や新NISAのほかに、祖父母などからの資金援助を活用する家庭もあります。教育資金の一括贈与に関する非課税制度など、贈与に関連する税制上の取り扱いは制度改正が行われることもあるため、活用を検討する場合は、その時点での最新の制度内容を税理士や金融機関などの専門家に確認することが望まれます。
家計全体の中で優先順位を考える
教育資金の準備を検討する際は、家計全体における優先順位も意識しておくことが望まれます。教育資金にどれだけ配分するかを決める前に、まずは日常生活の予備費や、就労不能時への備えなど、当面の生活を支える資金がどの程度確保できているかを確認しておくと、無理のない資金計画を立てやすくなります。教育資金だけを優先しすぎて、他の必要な備えが手薄にならないよう、バランスを意識することが大切です。
よくある質問
Q. すでに開設しているジュニアNISA口座はどうなるのか。
2023年末までに開設された口座は、非課税で保有を続けることができます。また、制度終了に伴い、18歳未満でも払い出し制限が撤廃され、いつでも非課税で払い出しが可能になっています。
Q. 学資保険と新NISA、どちらか一方を選ぶべきか。
一概にはいえません。保障を重視するか、資産形成を重視するかという目的や、教育資金が必要となるまでの期間、リスク許容度などを踏まえて、それぞれの家庭の状況に応じて判断することが望まれます。
Q. 学資保険と新NISAを併用することはできるか。
できます。学資保険で最低限の保障と一定額を確保しつつ、新NISAで残りの一部を運用に回すというように、両者を組み合わせて教育資金を準備している家庭も少なくありません。
まとめ
ジュニアNISAの新規受付終了により、教育資金準備の選択肢は変化しています。学資保険の保障機能と、新NISAを活用した資産形成、それぞれの特徴と注意点を理解したうえで、必要な時期や金額、家庭の状況に合わせた準備方法を検討しましょう。進路によって必要な金額が変わる点や、家計全体のバランスも踏まえながら、無理のない範囲で計画的に準備を進めていくことが大切です。

コメント