生命保険金の受取人、「法定相続人」指定と個人名指定はどちらがよいか

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生命保険に加入する際は、死亡保険金を受け取る「受取人」を指定する必要があります。多くの保険会社では、受取人を「配偶者」「長男〇〇」のように具体的な個人名で指定することを求めており、単に「法定相続人」とだけ記載する指定方法は認められないのが一般的です。

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受取人は個人名での指定が基本

保険会社の実務上、受取人は誰であるかが明確に特定できる形、つまり続柄と氏名を明記した個人名での指定が求められます。「法定相続人」という抽象的な指定では、実際に誰が受取人になるのかが契約時点で確定しないため、原則として認められていません。

受取人に指定できる範囲

受取人に指定できる人の範囲は、保険会社ごとに約款で定められていますが、一般的には配偶者や二親等以内の血族(父母、子、兄弟姉妹、祖父母、孫など)までとされていることが多く見られます。それ以外の人を受取人にしたい場合は、保険会社の個別の審査や条件を満たす必要があることがあるため、加入前に確認しておくとよいでしょう。

複数の受取人を指定する場合

受取人を複数指定することも可能です。その場合、各受取人が受け取る割合(受取割合)をあらかじめ指定しておくことができます。割合を指定しない場合は、均等に分配されるのが一般的な取扱いです。

複数の受取人を指定しておくと、家族間で保険金を分け合う際の話し合いの手間を減らせるという利点があります。一方で、受取人ごとに請求手続きが必要になる場合があり、単独の受取人を指定する場合と比べて手続きがやや煩雑になる点は考慮しておく必要があります。

受取人の変更手続き

結婚や離婚、子どもの誕生など、家族構成が変わった際は、受取人の変更手続きを行うことが重要です。受取人の変更は、被保険者の同意を得たうえで、保険会社所定の書類を提出することで可能です。長期間契約している保険ほど、受取人の設定が実情と合わなくなっていないか、定期的に確認することが望まれます。

見直しのタイミングの目安

受取人の見直しは、結婚・離婚・出産・死別など家族構成が変わったときのほか、数年に一度、契約内容を確認するタイミングであわせて行うのも一つの方法です。特に離婚後に元配偶者を受取人に指定したまま放置してしまうケースは実務上少なくないため、家族構成の変化があった際は速やかに手続きを行う習慣をつけておくとよいでしょう。

受取人指定と相続対策の関係

死亡保険金は、原則として受取人固有の財産とされ、遺産分割の対象にはなりません。そのため、特定の家族に確実に一定額の財産を残したい場合や、遺産分割協議で他の相続人との調整が難しくなりそうな場合に、生命保険の受取人指定を活用して財産を渡す方法が検討されることがあります。

遺言書との役割の違い

生命保険の受取人指定は、遺言書と異なり、被保険者の死亡と同時に指定された受取人に保険金を受け取る権利が発生する点が特徴です。遺産分割協議を経る必要がないため、当面の生活費や葬儀費用など、相続開始後すぐに資金が必要になる場面での備えとしても活用されています。ただし、遺言書のように不動産や事業用資産など保険金以外の財産の承継先を定めることはできないため、財産全体の承継方法を考える際は、遺言書など他の手段とあわせて検討することが望まれます。

よくある質問

Q. 受取人を指定していた人が、被保険者より先に死亡した場合はどうなるか。

この場合、その受取人の法定相続人が新たな受取人になるのが一般的な取扱いです。ただし契約内容によって異なる場合があるため、速やかに受取人の変更手続きを行うことが望まれます。放置したままにしておくと、実際に保険金を請求する際の手続きが煩雑になることもあります。

Q. 相続税の非課税枠を最大限使うには、受取人をどう指定すればよいか。

死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)は受取人が相続人である場合に適用されるため、配偶者や子など、法定相続人にあたる人を受取人として指定しておく必要があります。相続人以外の人を受取人にした場合、この非課税枠は適用されない点にも注意が必要です。

Q. 受取人の変更は被保険者本人でなくてもできるか。

受取人の変更は、契約者が行う手続きですが、被保険者の同意が必要とされています。契約者と被保険者が異なる契約の場合は、被保険者本人の同意を得たうえで、保険会社所定の手続きを行う必要があります。

契約者と被保険者が異なる場合の注意点

親が契約者となって子を被保険者とする保険や、夫婦の一方が契約者となってもう一方を被保険者とする保険では、受取人の指定内容によって、万一の際に想定と異なる課税関係が生じることがあります。契約者・被保険者・受取人の三者の関係を、契約時にあらためて整理しておくことが望まれます。

受取人の設定状況を確認する方法

長年契約している保険については、現在の受取人が誰に設定されているかを本人自身が把握していないケースも見られます。保険証券や契約内容のお知らせなどの書面を確認するほか、保険会社のマイページやコールセンターを通じて、現在の受取人設定を確認できる場合もあります。家族構成が変わっていないかとあわせて、定期的に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

生命保険の受取人は、個人名で具体的に指定するのが基本です。家族構成の変化にあわせて受取人の設定を見直し、想定していた通りに保険金が受け取られるよう管理しておくことが大切です。複数の受取人を指定する場合の割合の決め方や、変更手続きに必要な同意についても、あらかじめ理解しておくと安心です。

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