税理士試験には、大学院での学位取得による科目免除のほかに、国税庁・国税局・税務署等で一定期間働いた人を対象とする「国税従事者の科目免除」という制度があります。税務署出身者が税理士として活躍する背景には、この制度があります。
国税従事者の科目免除の考え方
国税庁・国税局・税務署において、国税に関する事務に一定年数以上従事した人は、その従事した職務内容や年数に応じて、税理士試験の税法に属する科目、あるいは会計学に属する科目の一部または全部が免除される仕組みがあります。免除される科目の範囲は、従事した事務の種類(賦課事務・徴収事務など)と勤続年数によって細かく区分されています。
| 区分 | 免除の考え方の目安 |
| 税法に関する事務に一定年数従事 | 税法科目の一部または全部が免除される場合がある |
| 国税の賦課事務等に長期間従事 | 会計学の科目が免除される場合がある |
| 指定研修の受講 | 免除の要件として一定の研修受講が求められる場合がある |
免除の対象となる年数・条件は複雑
国税従事者の科目免除は、単純に「何年勤めれば何科目免除される」という一律のルールではなく、従事した事務の内容や役職、指定研修の受講状況などによって適用される範囲が細かく異なります。対象となりうる方は、国税庁や日本税理士会連合会が公表している免除制度の案内を確認し、自身の勤務経歴がどの区分に該当するかを個別に確認する必要があります。異動によって複数の部署を経験している場合は、それぞれの在職期間ごとに従事した事務の内容が異なることもあるため、在職証明書等の記録をあらかじめ整理しておくと、申請時の確認作業がスムーズになります。
免除制度の今後の動向にも注意
税理士試験の免除制度については、公平性の観点から見直しの議論が行われることがあります。国税従事者の科目免除を活用しようと考えている場合、現時点の制度内容だけでなく、将来的な制度変更の可能性についても、日本税理士会連合会や国税庁の最新の公表情報を継続的に確認しておくことが望まれます。
よくある質問
Q. 国税従事者の科目免除は、税務署を退職した後に申請するのか。
A. 免除の認定は、税理士試験の受験申込みの際や税理士登録の際に、必要書類(在職証明書等)を添えて申請する形が一般的です。具体的な手続きは国税審議会・日本税理士会連合会の案内で確認する必要があります。
Q. 国税従事者の科目免除で税理士になった人と、試験に全科目合格した人とで、業務上の違いはあるか。
A. いずれも税理士登録の要件を満たせば税理士として登録され、業務範囲に違いはありません。
Q. 国税専門官として採用されれば、自動的に科目免除の対象になるのか。
A. 自動的に免除が確定するわけではなく、従事した事務の内容や年数、指定研修の受講状況などの要件を満たす必要があります。
まとめ
税理士試験には、国税従事者の科目免除のほかにも、官報合格という到達点があります。官報合格の意味については、別記事「税理士試験「官報合格」とは?一部科目合格との違いとキャリアへの影響」もあわせてご確認ください。

コメント