2026年(令和8年度)の第76回税理士試験は、8月4日から6日までの3日間で実施されました。合格発表は令和8年11月27日(金)です。発表までの期間は、自己採点の結果が気になって落ち着かないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大手専門学校が公表した科目別のボーダーライン予想を一覧にまとめました。あわせて、国税審議会が定める合格基準点とボーダーの違い、昨年の第75回の科目別合格率、合格発表までにやっておきたいことも解説します。
第76回税理士試験の日程と合格発表日
第76回税理士試験の試験日程と合格発表日は次のとおりです。
| 日程 | 実施科目 |
| 8月4日(火) | 簿記論、財務諸表論、消費税法又は酒税法 |
| 8月5日(水) | 法人税法、相続税法、所得税法 |
| 8月6日(木) | 国税徴収法、固定資産税、住民税又は事業税 |
| 11月27日(金) | 合格発表 |
5科目に達した合格者は、受験地と受験番号が官報と国税庁ホームページに掲載され、合格証書が郵送されます。一部科目の合格者も、受験地と受験番号が国税庁ホームページに掲載され、結果通知書が郵送されます。オンラインで申し込んだ方は、専用サイトのマイページで結果を確認できます。
合格基準点とボーダーラインの違い
国税審議会は、税理士試験の合格基準点を「各科目とも満点の60パーセント」と定めています。一方で、専門学校が公表するボーダーラインは60点ちょうどとは限らず、科目や年度によって50点台になることもあれば、70点前後になることもあります。
これは、専門学校のボーダーが、各校の模範解答と予想配点で自己採点した場合の「この点数があれば合格の可能性が高い」という目安だからです。実際の採点基準や配点は公表されないため、自己採点の点数と実際の得点は一致しません。ボーダーは学校ごとに数値が異なるので、複数の学校の予想をあわせて見るのがおすすめです。
第76回税理士試験 科目別ボーダーライン予想一覧
主要6科目について、各専門学校が公表したボーダーライン予想をまとめると次のとおりです。点数は各校の模範解答・予想配点で自己採点した場合の100点満点ベースの目安です。
| 科目 | 大原 | TAC | ネットスクール | 東京CPA |
| 簿記論 | 51点 | 54点 | 58点 | 55点 |
| 財務諸表論 | 65点 | 67〜73点 | 62〜64点 | 65点 |
| 消費税法 | 60点 | ― | 65点 | 63点 |
| 法人税法 | 57点 | 60点 | 62〜72点 | 61点 |
| 相続税法 | 70点 | 67点 | 70点 | 69点 |
| 所得税法 | 61点 | 58点 | ― | ― |
「―」は、公表値を確認できなかった科目、またはほかの学校と算出の基準が異なると考えられ比較に適さない科目です。国税徴収法、固定資産税、住民税・事業税などの科目は、ボーダーを公表している学校が少ないため掲載していません。各校の数値は8月の解答速報時点のもので、その後修正されている場合があります。最新の数値は各校の解答速報ページで確認してください。
科目ごとのポイント
簿記論:ボーダーは51〜58点、総合問題の時間配分が分かれ目
簿記論のボーダー予想は51〜58点に分布し、55点前後が目安です。第三問の総合問題は分量が多く、時間内に解き切るのが難しい内容だったため、全体として低めのボーダーになっています。
財務諸表論:ボーダーは62〜73点、ケアレスミスが命取り
財務諸表論は解きやすい問題が多かったとされ、ボーダー予想は62〜73点と高めです。中心は65〜68点前後で、取れる問題を確実に取れたかどうかで差がつく試験だったといえます。
消費税法:ボーダーは60〜65点前後
消費税法は、理論で解答すべき規定が多岐にわたり、計算はボリュームが多く時間との勝負になったとの講評があります。ボーダー予想は60〜65点前後です。
法人税法:ボーダーは57〜62点前後
法人税法のボーダー予想は57〜62点前後に集まっています。ネットスクールは62〜72点と幅を持たせており、学校によって評価が分かれた科目です。
相続税法・所得税法
相続税法のボーダー予想は67〜70点と高めで、得点が伸びやすい試験だったとみられます。所得税法は58〜61点前後が目安です。
昨年(第75回)の科目別合格率
参考として、令和7年度(第75回)税理士試験の科目別の結果を紹介します。税理士試験は、例年多くの科目で合格率が10〜15%前後の難関試験です。
| 科目 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 簿記論 | 18,466人 | 2,058人 | 11.1% |
| 財務諸表論 | 15,629人 | 4,980人 | 31.9% |
| 所得税法 | 1,120人 | 146人 | 13.0% |
| 法人税法 | 3,606人 | 488人 | 13.5% |
| 相続税法 | 2,413人 | 333人 | 13.8% |
| 消費税法 | 7,064人 | 712人 | 10.1% |
| 酒税法 | 590人 | 72人 | 12.2% |
| 国税徴収法 | 1,671人 | 231人 | 13.8% |
| 住民税 | 439人 | 78人 | 17.8% |
| 事業税 | 310人 | 38人 | 12.3% |
| 固定資産税 | 928人 | 144人 | 15.5% |
第75回は財務諸表論の合格率が31.9%と、前年の8.0%から大きく上がったのが特徴でした。このように、科目によっては年度ごとの合格率の変動が大きい点も税理士試験の特徴です。
合格発表までにやっておきたいこと
ボーダー付近なら、次の科目の勉強を止めない
自己採点がボーダー付近の場合、合格発表まで結果を待ってから動き出すと、来年の試験までの勉強時間が短くなってしまいます。不合格だった場合に備えて同じ科目の復習を続けるか、合格を見込んで次の科目に進むかを決めて、早めに学習を再開しておくのがおすすめです。
住所を変更した方は届出を忘れずに
受験申込後に住所が変わった方は、結果通知書を受け取るために住所変更届の提出が必要です。令和8年度は、11月13日(金)必着で国税審議会会長宛に提出することとされています。
結果通知が届かない場合の照会期間を確認する
書面で申し込んだ方で、結果通知書が届かない場合は、令和8年12月7日(月)から12月21日(月)までに照会することとされています。発表後に慌てないよう、あらかじめ確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 自己採点がボーダーを下回っていたら不合格ですか。
必ずしも不合格とは限りません。ボーダーは専門学校の模範解答と予想配点による目安で、実際の配点や採点基準は公表されていません。ボーダーを少し下回る点数でも合格するケースはあるため、結果が出るまでは悲観しすぎず、学習を続けておくのがよいでしょう。
Q. 合格基準点が60点なのに、ボーダーが60点と違うのはなぜですか。
合格基準点は国税審議会の採点による満点の60%を指し、ボーダーは専門学校の模範解答で自己採点した場合の目安だからです。両者は同じ物差しではないため、ボーダーが60点を上回ったり下回ったりすることがあります。
Q. 合格発表はどこで確認できますか。
令和8年11月27日(金)に、国税庁ホームページに合格者の受験地と受験番号が掲載されます。5科目に達した合格者は官報にも掲載されます。オンラインで申し込んだ方は、専用サイトのマイページでも結果を確認できます。
まとめ
第76回税理士試験のボーダーライン予想は、簿記論が55点前後、財務諸表論が65〜68点前後、消費税法が60〜65点前後、法人税法が57〜62点前後と、科目によって大きく異なります。ボーダーはあくまで専門学校による目安なので、ボーダー付近の方も結果が出るまで学習を続けておくのがおすすめです。合格発表は11月27日(金)です。発表を落ち着いて迎えられるよう、住所変更などの手続きも早めに確認しておきましょう。

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