Anthropicは2026年9月、新しいモデル「Claude Fable 5.1」と「Claude Mythos 5.1」を発表しました。公式発表によると、この2つは基本的に同じモデルですが、安全対策(セーフガード)のレベルが異なります。Fable 5.1は誰でも利用できる一般提供モデルである一方、Mythos 5.1は、審査を受けたサイバーセキュリティ専門家・生命科学研究者向けのプログラムを通じてのみ利用できます。この記事では、公式発表にもとづいて、何が変わったのかを整理します。
何が変わったのか
公式発表によると、Fable 5.1・Mythos 5.1は、コーディング、知的作業、長時間かかる問題解決において、前モデルのFable 5より「大幅に高い性能」を示しているとされています。具体的には、エージェント型の科学研究、ターミナルでのコーディング、複数分野にまたがる推論などのベンチマークで改善が確認されています。
- ターミナルでのコーディング(Terminal-Bench 4.0):Fable 5.1は55.8%を記録し、Fable 5の42.0%を上回った
- 分子設計:タンパク質結合分子の設計において、通常10〜15%程度のヒット率に対し、約50%に近いヒット率を達成した事例が紹介されている
- 計算生物学:ディープラーニングモデルの処理速度を最大2.5倍高速化するGPUカーネルの最適化に貢献した事例が紹介されている
誰に影響するのか:料金と利用可能な範囲
公式発表によると、Fable 5.1は、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Claude.ai、Claude APIなど、すべてのプラットフォームで即座に利用可能です。
料金(API利用の場合)は次のとおりです。
- 入力トークン:100万トークンあたり10ドル
- 出力トークン:100万トークンあたり50ドル
- キャッシュ読み込み:100万トークンあたり0.25ドル(従来から75%削減)
公式発表では、典型的な作業では約25%のコスト削減、複雑なエージェント型タスクではキャッシュ料金の変更により最大45%のコスト削減が見込めるとされています。
一方、Mythos 5.1は、記事作成時点でアメリカの組織を対象とした2つのプログラム(防御的セキュリティ作業向けの「Cyber Verification Program」、研究開発向けの「Life Sciences Verification Program」)を通じてのみ利用が制限されています。
使える条件:安全対策の改善点
公式発表によると、Fable 5.1では、次のような安全対策の改善が図られています。
- 生物学関連のセーフガード:Fable 5と比較して、通常のリクエストに対して誤って作動する頻度が85%減少
- サイバーセキュリティ関連のセーフガード:誤検知(false positive)が約60%減少し、脆弱性の特定(悪用コードの生成は引き続き制限)が可能になった
- Enterprise Frontier Safeguards(EFS):顧客データをAnthropicのシステムではなく、顧客自身のクラウド基盤に保存することで、ゼロデータ保持を実現する仕組み。2026年秋以降、段階的に展開予定
- EU AI Act対応:出力に目に見えない数値の電子透かしを組み込み、対象組織向けに検出APIを提供
以前との違い:モデルの位置づけ
公式発表では、モデルの位置づけが次のように説明されています。
- Fable 5.1:Fable 5を上回り、Opus 5に匹敵する性能とされている
- Mythos 5.1:専門分野向けに、安全対策を調整したうえで、より高度な能力を提供する
- Opus 5:引き続き提供されており、侵入テストや悪用コード生成、複雑な生物学関連の作業など、一部のタスクではOpus 5が案内される
注意点
- Mythos 5.1は、記事作成時点でアメリカの組織を対象とした検証プログラムを通じてのみ利用できます。一般ユーザーが利用できるのはFable 5.1です。
- Enterprise Frontier Safeguards(EFS)は、2026年秋以降に段階的に展開される予定であり、記事作成時点ではすべての顧客がすぐに利用できるわけではありません。
- モデルの性能や安全対策の数値は、Anthropicが独自に実施した評価にもとづくものです。実際の利用環境での挙動を保証するものではない点に留意してください。
よくある質問
Q. Fable 5.1とMythos 5.1、どちらを使えばいいですか。
A. 一般のユーザーは、公式に提供されているFable 5.1を利用することになります。Mythos 5.1は、サイバーセキュリティや生命科学分野の専門家向けに、審査を経たプログラムを通じてのみ提供されています。
Q. Fable 5.1は今までのFable 5より高くなりますか。
A. 公式発表によると、料金体系自体は同水準ですが、キャッシュ読み込み料金の削減などにより、典型的な作業では約25%、複雑なエージェント型タスクでは最大45%のコスト削減が見込めるとされています。
Q. Opus 5はもう使えなくなるのですか。
A. 公式発表によると、Opus 5は引き続き提供されており、侵入テストや悪用コード生成など、一部のタスクではOpus 5が案内されるとされています。
まとめ
Claude Fable 5.1とMythos 5.1は、2026年9月にAnthropicが発表した新しいモデルです。両者は基本的に同じモデルですが、Fable 5.1は一般提供、Mythos 5.1は審査を受けた専門家向けに限定提供されています。コーディングや科学分野での性能向上に加え、キャッシュ料金の削減によるコスト面のメリットも示されています。
次に取るべき行動
Claude.aiやAPIを利用している場合は、Fable 5.1が利用可能になっているか、公式サイトやAPIドキュメントで確認してみましょう。サイバーセキュリティ・生命科学分野の専門家で、Mythos 5.1に関心がある場合は、公式が案内する検証プログラムの詳細を確認してください。

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