中小企業経営強化税制とは?即時償却・税額控除の使い方

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設備投資を検討している中小企業の経営者から、「即時償却と税額控除、どちらがお得なのか」という質問を受けることがあります。中小企業経営強化税制は、一定の設備投資について、この2つの優遇措置のいずれかを選択できる制度です。

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中小企業経営強化税制とは

中小企業経営強化税制は、青色申告書を提出する中小企業者等が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画にもとづいて、一定の設備(特定経営力向上設備等)を取得した場合に、即時償却(取得価額の全額をその事業年度に損金算入)または税額控除のいずれかを選択して適用できる制度です。

即時償却と税額控除の選択

選択肢内容
即時償却取得価額の全額を、事業の用に供した事業年度に損金算入
税額控除(通常の中小企業者等)取得価額(または基準取得価額)の7%相当額を税額控除
税額控除(特定中小企業者等)取得価額(または基準取得価額)の10%相当額を税額控除

一つの資産について、即時償却と税額控除を重複して適用することはできません。どちらを選ぶかは、当期の利益状況や資金繰りを踏まえて判断します。当期の利益が大きく、税負担を抑えたい場合は即時償却が有効な選択肢になりますし、赤字に近い場合は税額控除を選んで翌期以降に繰り越すという考え方もあります。

適用対象と手続きの流れ

適用を受けるには、あらかじめ経済産業局に経営力向上計画の認定を申請し、認定を受ける必要があります(設備の取得後に計画を申請する場合は一定の猶予期間内に手続きを行う必要があります)。対象となる中小企業者等は、資本金1億円以下の法人または常時使用する従業員数1,000人以下の資本を有しない法人などで、適用除外事業者(過去3年間の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等)は対象外とされています。適用期限は令和9年3月31日までの指定期間内に設備を取得・事業供用することとされています。

よくある質問

Q. 経営力向上計画の認定を受けずに設備を購入してしまった場合、後から適用を受けられるか。

A. 設備の取得後60日以内に経営力向上計画が受理される見込みであることなど、一定の要件を満たせば、事後的に認定を受けて適用できる場合があります。早めに専門家に相談することをおすすめします。

Q. 中古設備の取得もこの制度の対象になるか。

A. 原則として新品の設備が対象であり、中古設備は対象外とされています。

Q. リースで取得した設備も対象になるか。

A. ファイナンス・リース取引など一定の要件を満たすリース取引による設備投資は、対象になる場合があります。詳細は税理士に確認してください。

設備の類型による違い

この制度の対象設備は、生産性向上に資する一定の設備(生産性向上設備)や、投資収益率の改善が見込まれる設備(収益力強化設備)、デジタル化に資する設備など、いくつかの類型に分かれており、類型ごとに証明書の取得先(工業会等の証明書、経済産業局の確認書など)が異なります。導入を検討している設備がどの類型に該当するかによって、事前に準備すべき書類が変わるため、設備メーカーや商工会議所などに相談しながら準備を進めるとよいでしょう。

まとめ

中小企業経営強化税制は、経営力向上計画の認定という事前手続きが必要になるため、設備投資を計画した段階から準備を進めることが重要です。設備投資の経理処理全般については、別記事「固定資産台帳の整備、除却・売却時の経理処理のポイント」もあわせてご確認ください。

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