中小企業診断士試験の受験を目指している方の中には、「今年から二次試験の仕組みが変わったらしい」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか。令和8年度(2026年度)の第2次試験は10月25日(日)に実施されますが、これまでの二次試験とは大きく異なる点があります。それが「口述試験の廃止」です。本記事では、令和8年度中小企業診断士第2次試験の日程や概要とあわせて、口述試験廃止の背景や受験生への影響、残り期間で取り組むべき対策のポイントを解説します。
令和8年度 中小企業診断士第2次試験の日程と概要
中小企業庁が公表している試験実施要領によると、令和8年度の第2次試験は次のとおり実施されます。
試験日・試験地・受験料
試験期日は令和8年10月25日(日曜日)です。試験地は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地区で、受験手数料は15,100円となっています。受験申込みの受付期間は令和8年9月1日(火)から9月18日(金)までとされていますので、申込み忘れがないよう早めにスケジュールを確認しておきましょう。合格発表は令和9年1月13日(水)に、一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会のホームページで受験番号が掲載される予定です。
受験資格
第2次試験を受験できるのは、令和7年度または令和8年度の第1次試験に合格した方です。第1次試験は経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目についてマークシート方式で実施されており、科目合格制度もあるため、複数年計画で1次試験を突破してから2次試験に臨む受験生も少なくありません。
【最大の変更点】令和8年度から口述試験が廃止されました
中小企業庁が令和8年2月5日に公表した発表によると、令和8年度試験から第2次試験における口述試験が廃止されることになりました。
これまでの二次試験の流れ
これまでの中小企業診断士第2次試験は、10月頃に実施される筆記試験(事例Ⅰ~Ⅳ)に合格した人だけが、12月頃に実施される口述試験に進むという二段階の構成でした。口述試験は面接形式で行われ、筆記試験の内容について質問に答える形式でしたが、口述試験まで進んだ受験生の合格率はほぼ100%に近いとされており、実質的には筆記試験が最大の関門とされてきました。
廃止の理由と受験生への影響
中小企業庁の発表資料によれば、口述試験廃止の背景には、新型コロナウイルス対策や台風による再試験実施といった臨時的な費用に加え、人件費や会場費の高騰による経常的な費用の増加があり、試験を実施する一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会の財政状況(試験会計)が悪化していることが挙げられています。これを踏まえ、試験を安定的に実施する観点などから、令和8年度からは口述試験が廃止される一方、受験手数料の総額を維持しつつ、第1次試験は14,500円から17,200円へ、第2次試験は17,800円から15,100円へと改定されました。受験生にとっては、12月の口述試験に向けた準備の負担がなくなる一方で、10月の筆記試験が実質的に一発勝負となるため、これまで以上に筆記試験本番へ照準を合わせた対策が重要になると考えられます。
筆記試験対策のポイント
事例Ⅰ~Ⅲ(与件文型)の解き方
事例Ⅰ(組織・人事)、事例Ⅱ(マーケティング・流通)、事例Ⅲ(生産・技術)は、与えられた企業の事例文(与件文)を読み、設問に沿って助言や分析を記述する形式です。与件文中のキーワードを拾いながら、一次試験で学んだ知識(フレームワーク)と結び付けて解答を組み立てる練習が欠かせません。過去問を繰り返し解き、模範解答と自分の答案の違いを分析することが、得点力アップの近道とされています。設問ごとの制限字数を意識しながら、一文一文を簡潔にまとめる練習を重ねることも重要です。
事例Ⅳ(計算問題)の対策
事例Ⅳ(財務・会計)は経営分析や意思決定会計、キャッシュフロー計算などの計算問題が中心で、得点差がつきやすい科目とされています。基本的な計算パターンを繰り返し練習し、電卓を使わずに検算する習慣をつけておくと、本番での時間配分に余裕が生まれやすくなります。計算過程を採点対象とする設問もあるため、途中式を丁寧に書く練習も欠かせません。
独学か通信講座か
一次試験を独学で突破した方でも、二次試験は採点基準が公開されていないこともあり、独学だけでは対策の方向性に迷いやすいとされています。予備校の模範解答や添削サービスを部分的に活用し、第三者からのフィードバックを受けながら答案の精度を高めていく方法も選択肢の一つです。学習仲間と答案を見せ合い、多様な視点を取り入れることも効果的とされています。
直前期のスケジュールの立て方
試験日まで残りわずかとなった今の時期は、新しい知識を詰め込むよりも、これまで解いた過去問や模試の振り返りに時間を割くことが有効とされています。特に事例Ⅳは得点が安定しにくい科目のため、毎日短時間でも計算問題に触れる習慣を続けることをおすすめします。また、当日の時間配分をシミュレーションしておくことで、本番での焦りを減らすことができます。試験会場までの交通手段や持ち物(電卓、筆記用具、受験票など)も、事前に確認しておくと安心です。
中小企業診断士資格を取得するメリット
中小企業診断士は、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格とされ、企業経営全般にわたる幅広い知識を体系的に身につけられる点が特徴です。企業内で経営企画や新規事業の立案に携わる方はもちろん、独立してコンサルタントとして活動する道を選ぶ方もいます。また、資格取得までに学ぶ財務・会計やマーケティング、生産管理などの知識は、実務でそのまま活用できる場面も多く、資格の有無にかかわらず、キャリア形成に役立つ内容といえます。
合格までの学習期間の目安
中小企業診断士試験は、一次試験と二次試験をあわせて、一般的に1年から2年程度の学習期間を要するとされています。ただし、学習開始時点の知識や、学習に充てられる時間には個人差が大きいため、あくまで目安として捉え、自身の状況に応じた無理のない計画を立てることが大切です。
よくある質問
一次試験の科目免除は二次試験にも影響しますか
一次試験で他の国家資格の合格実績などにより科目免除を受けた場合でも、二次試験の受験資格そのものには影響しません。二次試験は、一次試験の7科目すべてに合格(科目免除を含む)した年またはその翌年に受験できる仕組みになっています。免除を受けた科目があっても、二次試験の事例問題では関連する知識が問われることがあるため、免除科目についても基本的な内容は押さえておくと安心です。
社会人が働きながら合格を目指すには
中小企業診断士試験は、社会人が働きながら受験するケースが多い試験です。平日は通勤時間などの隙間時間を使って過去問演習を行い、休日にまとまった時間で模試や答案作成の練習を行うなど、限られた時間を計画的に配分することが重要とされています。特に直前期は、睡眠時間を削って詰め込みすぎず、体調管理も含めて無理のないスケジュールを心がけましょう。
まとめ
令和8年度の中小企業診断士第2次試験は10月25日に実施され、今年度から口述試験が廃止されるという大きな制度変更がありました。これにより、10月の筆記試験がこれまで以上に重要な意味を持つことになります。受験を予定している方は、中小企業庁や協会連合会の公式情報を定期的に確認しながら、事例Ⅰ~Ⅳの対策を計画的に進めていきましょう。

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