一般財団法人行政書士試験研究センターの案内によれば、令和8年度行政書士試験は2026年11月8日(日)午後1時から午後4時まで実施されます。9月に入ると、試験まで残り2か月というタイミングになり、これまでの学習の総仕上げをする「直前期」に差しかかります。この記事では、直前期にどのような学習に力を入れるべきか、記述式の対策や当日までのスケジュールの立て方について整理します。
直前期はどのような位置づけの時期か
行政書士試験は、法令等科目(憲法・民法・行政法・商法など)と一般知識等科目から出題される、出題範囲の広い試験です。直前期である9月・10月は、新しい知識を大量にインプットする時期というよりも、これまで学習してきた内容を整理し、得点力を最大化するための「仕上げ」の時期と位置づけるのが基本です。
新しい教材に手を広げすぎない
直前期になると、不安から新しい問題集や予想問題に次々と手を出したくなる方もいますが、消化不良になりやすく、かえって知識が定着しにくくなることがあります。基本的には、これまで使ってきたテキストや問題集を繰り返し、既存の知識の抜け漏れをなくすことを優先するとよいでしょう。
科目別の直前期対策
配点の大きい行政法・民法を優先する
行政書士試験は、行政法と民法の配点比率が高いことが知られています。直前期はまず、この2科目の得点を安定させることを最優先に据えるのが効果的です。特に行政法は出題数が多いため、条文の趣旨や判例の結論を正確に押さえておくことで、得点の底上げが期待できます。
一般知識等科目の足切りに注意する
行政書士試験には、一般知識等科目で一定の得点(基準点)に届かないと、法令等科目の得点にかかわらず不合格となる、いわゆる「足切り」の仕組みがあります。直前期には、時事問題や文章理解といった一般知識等科目についても、最低限の対策時間を確保しておくことが大切です。得意不得意が分かれやすい分野なので、模擬試験の結果を振り返り、苦手分野があれば重点的に補強しましょう。
記述式問題の対策
行政書士試験の大きな特徴の一つが、記述式問題の存在です。配点が大きいため、記述式対策の出来が合否を左右することも少なくありません。
条文の言葉を正確に書く練習
記述式は、条文や判例の言葉を正確に使って解答を作成する力が問われます。直前期には、過去問や予想問題を実際に手で書いて解答を作成し、時間内に条文の趣旨や要件を的確な文章でまとめる練習を重ねておくことをおすすめします。
部分点を意識した解答づくり
記述式は、たとえ完全な模範解答が書けなくても、キーワードや要件を盛り込むことで部分点が期待できる出題形式です。「白紙で提出しない」ことを徹底し、わかる範囲でキーワードを盛り込む練習をしておくと、本番での得点力アップにつながります。
直前期のスケジュールの立て方
逆算で学習計画を立てる
試験日である2026年11月8日から逆算して、9月・10月・11月上旬をそれぞれどのように使うかを大まかに計画しておくとよいでしょう。たとえば、9月は科目ごとの弱点補強、10月は模擬試験の受験と復習、11月上旬は総復習と体調管理に充てる、といった形で大枠を決めておくと、直前になって焦らずに済みます。
模擬試験を積極的に活用する
各予備校が実施する模擬試験を受けることで、本番に近い時間配分の感覚をつかむことができます。模擬試験の結果は一喜一憂する材料ではなく、あくまで本番までに補強すべき分野を洗い出すための材料として活用しましょう。
体調管理も学習計画の一部と考える
試験当日に実力を発揮するためには、体調管理も欠かせない要素です。直前期に無理な詰め込み学習をして体調を崩してしまっては本末転倒です。睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを保つことも、直前期の学習計画に組み込んでおくことをおすすめします。
よくある疑問に答えます
独学でも直前期の対策は間に合うか
独学であっても、直前期に優先順位を明確にした学習ができれば、十分に得点力を伸ばすことは可能です。ポイントは、残り2か月ですべての分野を完璧にしようとするのではなく、配点の大きい行政法・民法を中心に、既に学習した範囲の抜け漏れをなくすことに集中することです。独学の場合は模擬試験を積極的に活用し、客観的な立ち位置を把握することがより重要になります。
過去問は何年分くらい解けばよいか
過去問の活用方法は人によって異なりますが、直前期には単に多くの年度を解くことよりも、間違えた問題やあいまいな理解のまま解いていた問題を復習し、なぜ間違えたのかを言語化できるようにすることの方が効果的とされています。過去問を解く量よりも、1問ごとの復習の質を意識するとよいでしょう。
直前期に模試の判定が悪かった場合はどうすればよいか
模擬試験の判定は、あくまでその時点での立ち位置を示す一つの指標にすぎません。判定が思わしくなかった場合でも、間違えた分野を特定し、本番までの残り期間で優先的に復習することで、十分に挽回できる可能性があります。判定結果に一喜一憂するよりも、間違えた問題の分析に時間を使うことをおすすめします。
試験当日に向けた最終チェック
試験2週間前を目安に、当日の持ち物(受験票、筆記用具、時計など)や会場までの交通手段、所要時間を確認しておくとよいでしょう。当日は緊張から普段通りの力を発揮できないこともあるため、直前期の学習と並行して、当日のシミュレーションをしておくことで、落ち着いて試験に臨みやすくなります。
予備校を利用している場合の直前期の過ごし方
予備校の講座を受講している場合、直前期には模擬試験や直前対策講座、まとめ講義などが集中して提供されることが一般的です。すべての講座を受講しようとすると復習の時間が確保できなくなることもあるため、自分の弱点分野に合わせて優先順位をつけ、必要な講座を取捨選択することも大切です。講師から提供される直前期の学習アドバイスも参考にしつつ、最終的には自分の理解度に合わせた計画に落とし込むことを意識しましょう。
直前期のメンタルとの向き合い方
試験までの残り期間が短くなるにつれて、思うように得点が伸びず不安を感じる方も多いはずです。しかし、直前期に不安を感じること自体は、多くの受験生に共通する自然な反応です。大切なのは、不安を学習の手を止める理由にするのではなく、優先順位を明確にした計画的な復習に落とし込むことです。焦りから手当たり次第に手を広げるよりも、これまで積み上げてきた学習を信じて、決めた計画を淡々とこなしていく姿勢が、結果的に本番での安定した実力発揮につながります。
まとめ
令和8年度行政書士試験は2026年11月8日に実施され、9月時点で試験まで残り2か月というタイミングになります。直前期は新しい教材に手を広げるよりも、配点の大きい行政法・民法を中心に既存の知識を確実にすること、一般知識等科目の足切り対策、記述式問題での部分点を意識した練習が重要です。試験日から逆算したスケジュールを立て、模擬試験や体調管理も計画に組み込みながら、残りの期間を効果的に使っていきましょう。試験に関する正式な情報は、一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで随時ご確認ください。

コメント