売上が減少した、取引先から求められて登録したもののあまり必要性を感じなくなったなど、さまざまな理由でインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録をやめたいと考える事業者もいます。しかし、登録を取り消すための手続きには期限があり、また登録した時期によっては取消し後もすぐには免税事業者に戻れない「2年縛り」が適用される場合があります。この記事では、取消しの手続きと注意点を解説します。
登録取消しの手続き
インボイス発行事業者の登録をやめるには、「適格請求書発行事業者の登録取消しを求める旨の届出書」を管轄の税務署に提出します。この届出書は、登録を失効させたい課税期間の初日から起算して15日前までに提出する必要があります。個人事業主が翌年から失効させたい場合、前年の12月17日までに提出することが目安となり、この期限は土日祝日であっても延長されない点に注意が必要です。届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から、登録の効力が失われます。
「2年縛り」とはどのような仕組みか
インボイス登録を取り消せば必ず免税事業者に戻れるわけではありません。免税事業者からインボイス発行事業者になった時期によって、取消し後も一定期間は課税事業者としての申告義務が続く「2年縛り」(場合によっては2年超の縛り)が適用されることがあります。
| 登録した時期 | 取消し後の取り扱い |
| 2023年10月1日を含む課税期間に登録 | 2年縛りは適用されず、取消し後は免税事業者に戻れる |
| 2024年1月1日(翌課税期間の初日)に登録 | 登録から2年を経過する日の属する課税期間まで、免税事業者の規定が適用されない |
| 2024年1月2日以降に登録 | いわゆる「2年超」の縛りが適用され、より長い期間の申告義務が生じる場合がある |
この「縛り」を避ける方法として、あらかじめ「課税事業者選択届出書」を提出したうえでインボイス登録を行っていた場合には、この規定の対象外となる可能性があるとされています。ただし、その場合は取消しの際に「課税事業者選択不適用届出書」もあわせて提出する必要があります。自身がどのパターンに該当するかは、登録した時期や届出の状況によって異なるため、判断に迷う場合は税務署や税理士に確認することをおすすめします。
取消しを検討する際の注意点
登録を取り消すと、それ以降は適格請求書を発行できなくなります。取引先が仕入税額控除を行っている課税事業者の場合、取引先の税負担が増える可能性があるため、取消しを検討する際は事前に主要な取引先へ相談しておくことも重要です。
Q. 登録を取り消せばすぐに免税事業者に戻れますか?
A. 登録した時期によります。2023年10月1日を含む課税期間に登録した場合は縛りが適用されませんが、それ以降に登録した場合は「2年縛り」等が適用される可能性があります。
Q. 取消しの届出はいつまでに出せばよいですか?
A. 登録を失効させたい課税期間の初日から起算して15日前までに提出する必要があります。期限は土日祝日でも延長されないため、余裕を持った提出が必要です。
Q. 取消し後、また登録し直すことはできますか?
A. 一定の要件のもとで再登録は可能とされていますが、取消しからの経過期間など条件があるため、再登録を検討する場合は事前に税務署や税理士に確認することをおすすめします。
インボイス発行事業者の登録取消しには提出期限があり、また登録した時期によっては「2年縛り」により、取消し後もすぐには免税事業者に戻れない場合があります。取消しを検討する際は、自身の登録時期を確認したうえで慎重に判断しましょう。2割特例終了後の選択肢については、別記事「簡易課税制度とは?インボイスの2割特例終了後に検討したい消費税の選択肢」もあわせてご参照ください。

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