【2026年度】最低賃金はいくらに?都道府県別の引き上げ目安と企業がすべき対応

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毎年夏になると話題になる最低賃金の改定ですが、2026年度は例年以上に多くの方の関心を集めています。中央最低賃金審議会が示した引き上げ目安をもとに、全国の地方最低賃金審議会で答申が進められており、10月以降、都道府県ごとに新しい最低賃金が発効する見込みです。パートやアルバイトで働く方にとっては手取り収入に直結する話題であり、企業の経営者や労務担当者にとっても、給与計算や人件費予算の見直しが必要になる重要なテーマです。この記事では、2026年度の最低賃金がどのように決まるのか、引き上げの目安額はどの程度か、そして企業とパート・アルバイトで働く方がそれぞれ何を確認しておくべきかを、順を追って整理して解説します。

最低賃金の最終的な金額は、各都道府県の地方最低賃金審議会の答申を経て、都道府県労働局長が決定・公示するものです。本記事の金額は執筆時点で公表されている目安・答申状況に基づく内容であり、確定額や発効日は今後変更される可能性があります。正確な情報は、厚生労働省および各都道府県労働局の公表情報を必ずご確認ください。

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最低賃金とはどのような制度か

地域別最低賃金と特定最低賃金の違い

最低賃金には、都道府県ごとに定められる「地域別最低賃金」と、特定の産業について地域別最低賃金より高い水準で定められる「特定最低賃金」の2種類があります。一般的に「最低賃金」という場合は地域別最低賃金を指すことが多く、業種や雇用形態を問わず、その都道府県内で働くほぼすべての労働者に適用されます。パートやアルバイト、学生アルバイトであっても、地域別最低賃金を下回る時給で働かせることは労働基準法および最低賃金法により認められていません。特定最低賃金が適用される産業では、地域別最低賃金と特定最低賃金のいずれか高い方の金額が適用される点も押さえておきましょう。

最低賃金は毎年見直される仕組み

地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会が示す引き上げ目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会が地域の実情を踏まえて審議し、都道府県労働局長が決定するという流れで、原則として毎年度改定されます。審議にあたっては、労働者の生計費、賃金の実態、企業の賃金支払能力といった要素が総合的に考慮されます。近年は物価上昇や人手不足を背景に、比較的大きな引き上げが続いている点が特徴で、企業にとっては人件費の上昇を見越した経営計画が求められる状況が続いています。

2026年度の最低賃金改定の目安

中央最低賃金審議会が示した引き上げ額

2026年7月28日、中央最低賃金審議会は「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」を取りまとめ、公表しました。都道府県は賃金水準等に応じてA・B・Cの3ランクに分けられており、今回示された引き上げ額の目安は、Aランクが54円、Bランクが56円、Cランクが56円となっています。目安どおりに改定が行われた場合、全国加重平均は1,176円となり、前年度からの上昇額は55円、上昇率は4.9%程度になると見込まれています。前年度の上昇額(66円、上昇率6.3%)と比べるとやや落ち着いた水準ではあるものの、依然として高い伸び率が続いていることがわかります。

都道府県別の想定額に幅がある

目安どおりに改定された場合、最も高い水準になるとみられるのは東京都で、現在の1,226円から1,280円程度への引き上げが見込まれています。一方、目安が示す水準が比較的低い都道府県では、1,000円台前半にとどまる見込みです。このように、同じ引き上げ額の目安であっても、もともとの水準が異なるため、都道府県間の金額差は今後も残る見通しです。ご自身の都道府県の最新の答申状況は、厚生労働省や各都道府県労働局のホームページで確認できます。複数の都道府県に事業所を持つ企業では、それぞれの所在地の最低賃金を個別に確認しておく必要があります。

発効時期は都道府県ごとに異なる

答申から発効までの流れ

中央最低賃金審議会の目安が示された後、各都道府県の地方最低賃金審議会が地域の実情を踏まえて審議し、答申を行います。2026年8月時点では、多くの都道府県で答申が公表されつつある段階です。その後、地域別最低賃金の改定案について労使双方が異議を申し立てられる期間が設けられ、必要に応じて地方最低賃金審議会が再審議を行ったうえで、都道府県労働局長が正式に決定・公示し、一定の周知期間を置いたうえで発効するという流れになります。

発効日は10月が中心の見込み

例年、地域別最低賃金の発効日は10月上旬から下旬にかけてが中心となっており、2026年度についても10月以降の発効が見込まれています。ただし、正式な発効日は都道府県ごとに異なるため、給与計算や労務管理の実務にあたっては、必ず自社が所在する都道府県の労働局が公表する正式な発効日を確認する必要があります。発効日をまたぐ給与計算期間がある場合、発効日の前後で適用する最低賃金額が変わる点にも注意しましょう。

企業が今から準備しておきたいこと

現在の時給・給与水準の点検

最低賃金の引き上げにあたり、企業がまず行うべきは、パート・アルバイトを含むすべての従業員の時給・給与水準が、新しい最低賃金額を下回らないかを点検することです。月給制の従業員についても、所定労働時間で除して時間単価に換算し、最低賃金を満たしているかを確認する必要があります。あわせて、諸手当のうち最低賃金の対象となる賃金に含まれないもの(精皆勤手当や通勤手当、時間外手当など)がある点にも注意が必要です。最低賃金を下回ることが判明した場合は、発効日までに賃金規程や雇用契約の見直しを行いましょう。

助成金や支援策の活用も検討する

最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加に対応するため、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者向けの業務改善助成金など、国の支援策が用意されている場合があります。自社が対象となるかどうか、活用できる制度がないかは、厚生労働省や商工会議所などの窓口で確認しておくとよいでしょう。設備投資による業務効率化と賃上げをあわせて計画することで、人件費増加の影響を和らげられる可能性があります。

パート・アルバイトで働く方への影響

時給アップと「年収の壁」を合わせて考える

最低賃金が引き上げられると、同じ時間働いても収入が増えるため、扶養の範囲内で働く方にとっては、これまでと同じ収入に抑えるために労働時間を調整する必要が生じる場合があります。いわゆる「年収の壁」との兼ね合いも含めて、ご自身の働き方への影響を確認しておくことをおすすめします。時給が上がった分だけ労働時間を減らすのか、それとも社会保険に加入する働き方に切り替えるのか、家族の状況や将来設計も踏まえて検討するとよいでしょう。

よくある質問

最低賃金以上の賃金であれば手当は自由に決めてよいですか

最低賃金の対象となる賃金には、基本給や多くの諸手当が含まれますが、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜労働の割増賃金、賞与などは、最低賃金の対象となる賃金には含まれません。そのため、時給や日給の額面が最低賃金を上回っているように見えても、対象となる賃金だけで計算すると下回っているケースもあり得ます。給与規程を見直す際は、どの手当が対象に含まれるかを正確に確認することが大切です。

最低賃金を下回る契約はどうなりますか

最低賃金法により、最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約は、その部分について無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。契約上の時給が最低賃金を下回っていた場合でも、法律上は最低賃金額での契約とみなされ、事業主には最低賃金額との差額を支払う義務が生じます。改定後は速やかに就業規則や雇用契約書の記載内容も見直しておくと安心です。

最低賃金はアルバイト・パートにも適用されますか

はい、最低賃金は雇用形態を問わず適用されます。正社員はもちろん、パート、アルバイト、契約社員、派遣労働者など、その都道府県内で働くすべての労働者が対象です。学生アルバイトであっても例外ではありません。なお、精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方など、一定の場合には都道府県労働局長の許可を受けて最低賃金の減額特例が認められることがありますが、これはあくまで例外的な措置です。

まとめ

2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会の目安を踏まえ、全国加重平均で1,176円程度への引き上げが見込まれています。ただし、最終的な金額と発効日は都道府県ごとに異なり、地方最低賃金審議会の答申や都道府県労働局長の決定を経て確定します。企業の労務担当者は、給与水準の点検や就業規則の見直し、助成金の活用検討を早めに進め、パート・アルバイトで働く方は、時給アップと年収の壁の両方を踏まえた働き方を考えておくとよいでしょう。正確な金額・発効日は、厚生労働省および各都道府県労働局の公表情報で必ずご確認ください。

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