令和8年度(2026年度)の行政書士試験は、11月8日(日)午後1時から4時まで実施される予定です。受験申込みはすでに締め切られており、本試験まで残された時間は限られています。この時期になると、「今から何をすればよいのかわからない」「新しい教材に手を出すべきか」と迷う受験生も少なくありません。本記事では、行政書士試験の配点構成をあらためて振り返ったうえで、直前期に取り組むべき学習法のポイントと、試験当日に注意しておきたい点について解説します。
行政書士試験の配点構成を振り返る
出題形式別の配点
行政書士試験は300点満点で、大きく「法令等科目」244点と「基礎知識科目」56点に分かれています。出題形式別に見ると、択一式(5肢択一式)が216点、多肢選択式が24点、記述式が60点という配点内訳です。記述式問題は、行政法・民法の分野から合計3問出題され、1問あたり20点、合計60点という大きな配点が割り当てられています。配点全体に占める記述式の割合は決して小さくないため、直前期の対策でも軽視できない分野といえます。
合格基準(総合点・科目別基準点)
行政書士試験の合格基準は、試験全体で180点以上(300点満点)を得点することに加え、法令等科目で122点以上、基礎知識科目で24点以上(56点満点)という科目別の基準点も、あわせて満たす必要があるとされています。総合点で180点に届いていても、いずれかの基準点を下回ると不合格になるため、法令等科目・基礎知識科目のどちらか一方に偏った対策にならないよう、バランスを意識した学習計画を立てることが重要です。
行政書士試験の直前期にやるべきこと
新しい教材には手を出さず、今ある知識の定着を優先する
直前期になると、不安から新しい問題集やテキストに手を広げたくなる方もいますが、この時期に教材を増やすことはおすすめできません。行政書士試験は、民法・行政法を中心に出題範囲が非常に広いため、直前期は新しい知識を詰め込むよりも、これまで使ってきたテキストや過去問を繰り返し復習し、知識の抜け漏れをなくすことに時間を使うほうが効果的とされています。特に、過去に間違えた問題や、繰り返し出題される重要論点については、正確に理解できているかを最終確認しておきましょう。
科目別の学習配分を見直す
法令等科目のうち、行政法は択一式・多肢選択式をあわせた配点が最も大きく、次いで民法の配点が大きいとされています。直前期はこの2科目の得点を安定させることが、合格ラインである総合180点への到達に直結しやすいため、優先的に復習時間を配分するとよいでしょう。一方、憲法・商法及び会社法・基礎法学については、出題数が比較的限られているため、直前期には短時間で全体を総復習する形にとどめ、行政法・民法の演習時間を確保するという配分の考え方もあります。自分のこれまでの模試や過去問の得点状況を踏まえ、優先順位をつけて残りの時間を使いましょう。
記述式対策は最後まで得点力を伸ばせる分野
前述のとおり、記述式問題は配点が60点と大きく、その出来が合否を左右することも珍しくありません。記述式は、条文の趣旨やキーワードを正確に書けるかどうかが問われるため、直前期であっても繰り返し練習することで得点力を伸ばしやすい分野といえます。模範解答を丸暗記するのではなく、なぜその表現が使われているのかを理解しながら練習することが、本番での応用力につながります。
基礎知識科目の足切りに注意する
行政書士試験では、法令等科目に加えて、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解などを含む「基礎知識科目」が出題されます。この基礎知識科目には、56点満点中24点以上という基準点が設けられており、これに達しないと、法令等科目や総合点がどれだけ良くても不合格となってしまいます。法令科目の対策に時間を割きがちですが、直前期には基礎知識科目、特に得点源にしやすいとされる文章理解や個人情報保護に関する分野についても、最低限の得点を確保できる状態にしておくことが重要です。
模試を有効活用する
直前期に模擬試験を受けることで、本番同様の時間配分やマークシートの記入練習ができるだけでなく、自分の現在の実力を客観的に把握することができます。模試の結果が思わしくなかった場合でも、それだけで一喜一憂しすぎず、どの分野で失点したのかを分析し、残りの期間の学習に反映させることが大切です。模試は、自分の弱点を洗い出すためのツールとして活用する意識を持つとよいでしょう。
試験当日の注意点
持ち物と会場到着のタイミング
試験当日は、受験票、鉛筆またはシャープペンシル、消しゴムなど、試験案内に記載された持ち物を前日のうちに準備しておきましょう。会場までの交通手段や所要時間を事前に確認し、余裕を持って到着できるようにすることも大切です。特に、初めて訪れる会場の場合は、当日になって道に迷うといった思わぬトラブルが焦りにつながることもあるため、可能であれば事前に経路を確認しておくと安心です。
時間配分を意識した解答の進め方
行政書士試験は、法令等科目と基礎知識科目を合わせて3時間という長丁場の試験です。得意な分野から解き始めるか、出題順に解き進めるかなど、自分に合った解答の進め方をあらかじめ決めておくと、本番で迷う時間を減らせます。また、配点の大きい記述式問題に十分な時間を確保できるよう、択一式問題にかける時間の目安をあらかじめ決めておくことも、時間切れを防ぐポイントの一つです。
見直し時間を確保する
マークシート方式の試験では、解答欄のずれや記入ミスに気づかないまま試験時間が終わってしまうと、それまでの学習が正しく得点に結びつきません。すべての問題を解き終えた後に、マークの抜け漏れやずれがないかを見直す時間を、あらかじめ数分でも確保しておくと安心です。記述式の解答欄についても、誤字脱字や文字数の過不足がないか、最後にもう一度目を通しておくとよいでしょう。
体調管理も直前期の重要な対策の一つ
試験直前は、学習時間を確保しようとして睡眠時間を削ってしまいがちですが、体調を崩してしまっては本末転倒です。直前期こそ、規則正しい生活リズムを保ち、試験当日に最も高いパフォーマンスを発揮できる状態を整えることを意識しましょう。
まとめ
2026年11月8日に実施される行政書士試験まで、残りの期間は決して長くはありません。300点満点のうち、総合180点以上に加えて法令等122点以上・基礎知識24点以上という科目別基準点も満たす必要があるため、直前期は新しい教材に手を広げるのではなく、これまでの学習内容を確実に定着させることを優先しましょう。配点の大きい記述式問題への対策や、基礎知識科目の基準点対策も忘れずに行うことが大切です。試験当日は、持ち物の準備や時間配分をあらかじめ整理し、落ち着いて実力を発揮できるよう備えておきましょう。試験の詳細な実施要項については、一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで必ず確認してください。

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