2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金は、2026年9月4日の沖縄県の答申をもって、全47都道府県の答申が出そろいました。この記事では、四国・九州・沖縄地方の12県(徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)を対象に、2026年度の答申額や引き上げ幅、発効予定日をまとめて解説します。掲載している金額は記事作成時点(2026年9月)の答申額であり、正式決定・官報公示前の情報である点にご留意ください。
四国・九州・沖縄地方の最低賃金改定の特徴
全国で最も引き上げ幅が大きい佐賀県
2026年度の答申の中で、全国で最も引き上げ幅が大きかったのは佐賀県の+65円で、目安を9円上回る答申となりました。佐賀県はこれで23年連続の引き上げとなる見込みです。九州地方では、このほかにも鹿児島県+64円、宮崎県+62円、熊本県+58円など、目安を上回る答申が相次ぎました。
沖縄県が全国最下位を脱却
沖縄県は、2025年度まで宮崎県・高知県とともに全国で最も低い水準(1,023円)でしたが、2026年度は目安を7円上回る+63円の答申となり、1,086円まで引き上げられる見込みです。これにより、2026年度は宮崎県(1,085円)を上回り、長年続いた全国最下位から脱却する形となりました。
四国・九州・沖縄12県の最低賃金一覧
以下は、四国・九州・沖縄地方12県における2025年度(令和7年度)の現行額と、2026年度(令和8年度)の答申額、引き上げ額、発効予定日をまとめたものです(記事作成時点の答申情報にもとづきます)。
| 県 | 2025年度額 | 2026年度答申額 | 引上額 | 発効予定日 |
| 徳島県 | 1,046円 | 1,103円 | +57円 | 11月1日 |
| 香川県 | 1,036円 | 1,092円 | +56円 | 10月1日 |
| 愛媛県 | 1,033円 | 1,093円 | +60円 | 11月1日 |
| 高知県 | 1,023円 | 1,086円 | +63円 | 10月29日 |
| 福岡県 | 1,057円 | 1,114円 | +57円 | 10月4日 |
| 佐賀県 | 1,030円 | 1,095円 | +65円 | 11月15日 |
| 長崎県 | 1,031円 | 1,087円 | +56円 | 11月2日 |
| 熊本県 | 1,034円 | 1,092円 | +58円 | 12月1日 |
| 大分県 | 1,035円 | 1,096円 | +61円 | 11月1日 |
| 宮崎県 | 1,023円 | 1,085円 | +62円 | 10月24日 |
| 鹿児島県 | 1,026円 | 1,090円 | +64円 | 10月25日 |
| 沖縄県 | 1,023円 | 1,086円 | +63円 | 12月2日 |
福岡県は県内初の1,100円台に到達
福岡県の2026年度答申額は1,114円で、九州地方の中では最も高い水準です。福岡県にとっては、今回の答申で県内で初めて最低賃金が1,100円台に到達したことになります。九州地方の経済の中心地である福岡県の動向は、周辺県の賃金水準にも影響を与える可能性があります。
発効日は10月から12月まで幅広く分散
四国・九州・沖縄12県の発効予定日は、最も早い香川県の10月1日から、最も遅い沖縄県の12月2日まで、実に2か月以上の差があります。徳島県・愛媛県・大分県は11月1日、佐賀県は11月15日、熊本県は12月1日など、県によって発効時期が大きくばらついている点が、このブロックの特徴です。
地域内の企業が確認しておきたいポイント
発効日の早い県から順に対応スケジュールを組む
12県に事業所を展開している企業では、発効日が最も早い香川県(10月1日)から最も遅い沖縄県(12月2日)まで、順を追って給与システムや就業規則の対応を進めていく必要があります。発効日が近い県から優先的にチェックリストを作成し、抜け漏れのないよう計画的に対応することが重要です。
観光・サービス業における人手不足への影響
沖縄県をはじめ、四国・九州地方には観光業やサービス業が主要産業となっている地域も多くあります。最低賃金の引き上げは、こうした業種のパート・アルバイトの時給にも直接影響するため、人件費の増加を見込んだうえで、料金設定やシフト体制の見直しを検討する事業者も少なくありません。
引き上げ対応で見落としやすいポイント
最低賃金を下回った場合のリスク
新しい最低賃金額が発効した後にもかかわらず、旧額のまま賃金を支払い続けてしまうと、最低賃金法違反となり、差額の遡及支払いや罰則の対象となる可能性があります。特に発効日が11月・12月と遅めに設定されている県では、「まだ先のこと」と後回しにしているうちに発効日を過ぎてしまうケースもあるため、カレンダーなどで管理しておくとよいでしょう。
求人票・募集要項の時給表示も更新を
最低賃金の引き上げにあわせて、求人サイトや店頭に掲示している募集要項の時給が、新しい最低賃金額を下回っていないかどうかも確認が必要です。特に、これまで最低賃金に近い時給で募集していた場合は、発効日にあわせて速やかに表示を更新することをおすすめします。
答申額から正式決定額への変更可能性
本記事で紹介した四国・九州・沖縄12県の金額は、記事作成時点(2026年9月)における答申額です。今後、異議申し出などの手続きを経て正式決定・官報公示されるまでは、金額や発効日が調整される可能性もあります。最終的な確定情報は、厚生労働省や各県労働局の公式発表でご確認ください。
まとめ
四国・九州・沖縄地方の12県では、2026年9月4日の沖縄県の答申をもって全国47都道府県の答申が出そろいました。佐賀県の+65円をはじめ、目安を上回る引き上げが相次ぎ、沖縄県は全国最下位を脱却する見込みです。発効予定日は10月1日から12月2日までと幅広く分散しているため、事業所ごとの確認が欠かせません。答申された金額は今後の正式決定・官報公示で確定するため、最新情報を各県労働局の公式発表で確認することをおすすめします。

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