住宅ローンの繰り上げ返済と資産運用、どちらを優先すべきか

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まとまった余裕資金ができた際に、住宅ローンの繰り上げ返済に充てるべきか、それともNISA等で資産運用に回すべきか、判断に迷う人は少なくありません。どちらが有利かは、住宅ローンの金利水準や住宅ローン控除の適用状況によって変わってきます。

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繰り上げ返済のメリット

繰り上げ返済を行うと、その分の元金に対する将来の利息負担がなくなります。特に住宅ローンの金利が高い場合や、変動金利で将来の金利上昇が不安な場合には、繰り上げ返済によって確実に負担を減らせるという安心感があります。また、返済期間短縮型で繰り上げ返済すれば、完済までの期間そのものを縮めることもできます。

返済期間短縮型と返済額軽減型の違い

繰り上げ返済には、完済までの期間を短くする「返済期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があります。返済期間短縮型は、同じ繰り上げ返済額に対して利息の軽減効果が大きくなりやすい一方、返済額軽減型は、毎月の家計負担を早い段階から軽くできるという特徴があります。どちらを選ぶかは、完済を急ぎたいか、日々の家計にゆとりを持たせたいかという優先順位によって変わってきます。

資産運用を優先する考え方

一方、近年の住宅ローンは低金利であることが多く、NISA等での運用による期待リターンが住宅ローンの金利を上回る可能性がある場合、手元資金を運用に回すほうが、結果的に資産を増やせる可能性があります。ただし、運用には元本割れのリスクがある点は、確実に負担を減らせる繰り上げ返済とは大きく異なります。

確実性とリスクのバランス

繰り上げ返済による利息軽減効果は、契約している金利にもとづいて確実に得られる効果である一方、資産運用によるリターンは市場環境によって変動し、必ずしも期待どおりの成果が得られるとは限りません。この「確実性」と「期待リターン」の性質の違いを理解したうえで、どちらを優先するかは、本人がどの程度のリスクを受け入れられるかという価値観にも左右されます。

住宅ローン控除への影響も考慮する

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けている期間に繰り上げ返済を行うと、年末のローン残高が減ることで、控除額が小さくなる場合があります。控除期間中に大きく繰り上げ返済をする場合は、控除への影響も含めて検討することが望まれます。

控除期間中の資金活用の考え方

住宅ローン控除の適用を受けられる期間は、借入金利が実質的に低く抑えられているとみなせる面があるため、この期間中は無理に繰り上げ返済を急がず、控除期間が終了したタイミングでまとめて繰り上げ返済を検討するという考え方をとる人もいます。控除の終了時期や、その時点でのローン残高・金利状況を踏まえて、資金の使い道を計画しておくとよいでしょう。

家計全体のバランスを考える視点

繰り上げ返済と資産運用のどちらを選ぶ場合でも、緊急時にすぐ使える生活防衛資金を十分に確保しておくことが前提になります。手元の資金をすべて繰り上げ返済や運用に投じてしまうと、急な出費が生じた際に対応できなくなるおそれがあるため、流動性の確保と、返済・運用への資金配分のバランスを常に意識しておくことが大切です。

変動金利と固定金利で考え方が異なる点

住宅ローンには、返済期間中に金利が変動する変動金利型と、契約時の金利が満期まで変わらない固定金利型があります。変動金利型を選んでいる場合は、将来の金利上昇によって返済負担が増えるリスクがあるため、繰り上げ返済によってあらかじめ元金を減らしておく効果を重視する考え方もあります。固定金利型の場合は、契約時点の金利で将来の返済額が確定しているため、金利上昇リスクへの備えという観点では、繰り上げ返済の必要性は相対的に低くなるという見方もできます。

ライフプラン全体から考える重要性

繰り上げ返済と資産運用のどちらを優先するかは、一度決めたら固定的に考えるのではなく、子どもの教育資金や老後資金の準備状況など、家計全体のライフプランと照らし合わせながら、定期的に見直していくことが望まれます。将来のライフイベントに必要な資金の時期や金額を整理したうえで、そのつど繰り上げ返済と資産運用への配分を調整していく姿勢が大切です。

繰り上げ返済のタイミングを分散する考え方

手元資金がまとまったタイミングで一度に大きな繰り上げ返済を行うのではなく、複数回に分けて少しずつ繰り上げ返済を行うという方法もあります。こうすることで、資産運用に回す資金と繰り上げ返済に回す資金を状況に応じて柔軟に調整でき、一度にすべての判断を固定してしまうリスクを避けやすくなります。

団体信用生命保険とのバランスも意識する

住宅ローンを組む際には、多くの場合、団体信用生命保険に加入し、契約者に万一のことがあった場合にローン残高が保険でカバーされる仕組みになっています。繰り上げ返済によってローン残高を減らすと、この保障の意味合いも小さくなっていく点は見落とされがちです。住宅ローンを保障の一部として捉えている場合は、繰り上げ返済によって保障が薄くなる分を、他の生命保険等でどう補うかもあわせて考えておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. 繰り上げ返済と資産運用、両方を少しずつ行うことはできるか。

可能です。すべての余裕資金をどちらか一方に集中させるのではなく、生活防衛資金を確保したうえで、繰り上げ返済と資産運用をバランスよく配分する考え方も一般的です。

Q. 金利がどの程度なら繰り上げ返済を優先すべきか。

一概の基準はありませんが、住宅ローンの金利が資産運用の期待リターンより高い場合や、金利上昇リスクに強い不安がある場合には、繰り上げ返済を優先する考え方がよく用いられます。

Q. 返済期間短縮型と返済額軽減型、どちらを選ぶべきか。

家計の状況や目的によって異なります。利息の軽減効果を重視するなら返済期間短縮型、毎月の家計負担を早期に軽くしたいなら返済額軽減型が向いているとされ、自身の優先順位に合わせて選ぶことが望まれます。

まとめ

住宅ローンの繰り上げ返済と資産運用のどちらを優先すべきかは、金利水準や住宅ローン控除の状況、リスク許容度によって異なります。返済方法の種類や家計全体のバランスも踏まえたうえで、それぞれのメリット・デメリットを比較し、無理のない判断をすることが大切です。

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