会社を退職すると、それまで加入していた健康保険の資格を失うため、新たに健康保険に加入する手続きが必要になります。その際の主な選択肢となるのが「任意継続」と「国民健康保険」です。どちらを選ぶかによって保険料の負担額が変わる場合があるため、退職を予定している方は事前に制度の違いを理解しておくことが大切です。本記事では、両制度の特徴と選び方のポイントを初心者の方にもわかりやすく解説します。保険料の具体的な金額は個々の状況により異なるため、実際の手続きの際は加入していた健康保険組合や自治体の窓口で確認することをおすすめします。
退職後に必要な健康保険の手続き
会社員として健康保険(被用者保険)に加入していた方は、退職すると同時にその資格を失います。そのため、退職後は新たに健康保険に加入する必要があり、主な選択肢として「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の被扶養者になる」の3つが挙げられます。本記事では、特に多くの方が検討する「任意継続」と「国民健康保険」について解説します。
任意継続被保険者制度とは
任意継続被保険者制度とは、退職前に加入していた健康保険に、退職後も一定期間継続して加入できる制度です。
加入できる期間と条件
任意継続に加入できる期間は最長で2年間です。加入するには、退職日までに継続して2か月以上その健康保険の被保険者であったことなどの条件を満たす必要があり、退職日の翌日から20日以内に申出を行う必要があります。期限を過ぎると原則として加入できなくなるため、早めの手続きが欠かせません。
保険料の決まり方
任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額をもとに算定されます。在職中は会社と従業員が保険料を半分ずつ負担していましたが、退職後は全額を自分で負担する必要があるため、在職中と比べて保険料の負担が大きくなる点に注意が必要です。
国民健康保険とは
国民健康保険は、会社の健康保険や任意継続、後期高齢者医療制度などに加入していない方が加入する公的医療保険制度で、各市区町村が運営しています。
保険料の決まり方
国民健康保険の保険料は、前年の所得をもとに算定される仕組みです。退職した年は前年(在職中)の所得を基準に計算されるため、保険料が高くなりやすい一方、翌年以降は収入が少なければ保険料も下がっていく傾向があります。自治体によって保険料の計算方法や軽減制度の内容が異なる点にも留意しましょう。
どちらを選ぶべきかの考え方
扶養家族がいる場合
国民健康保険には被扶養者という仕組みがなく、扶養家族がいる場合は家族の人数分の保険料がかかります。一方、任意継続であれば扶養家族がいても保険料は変わらない仕組みのため、扶養家族が多い方は任意継続の方が有利になりやすいといわれています。
退職後に収入が大きく減る場合
国民健康保険には、前年の所得が一定以上減少した場合などに保険料を軽減する制度が用意されている場合があります。退職後に収入が大きく減る見込みがある方は、お住まいの自治体の窓口で軽減制度の適用可否を確認してみるとよいでしょう。
迷ったときの進め方
どちらが得かは、扶養家族の有無、退職後の収入見込み、お住まいの自治体の保険料率などによって異なります。加入していた健康保険組合に任意継続の保険料を確認し、お住まいの自治体に国民健康保険の保険料を確認したうえで、実際の金額を比較して判断することをおすすめします。
手続きの際に気をつけたいこと
任意継続の申出期限は退職日の翌日から20日以内と短いため、退職が決まった時点で早めに検討を始めることが大切です。また、一度任意継続を選択した後に国民健康保険へ切り替える、あるいはその逆を行うことも可能な場合がありますが、手続きには条件があるため、変更を検討する際は早めに確認しましょう。
まとめ
退職後の健康保険は「任意継続」と「国民健康保険」のいずれかを選ぶことになりますが、保険料の決まり方や扶養家族の取り扱いなど、両制度には大きな違いがあります。扶養家族の有無や退職後の収入見込みを踏まえ、実際の保険料を比較したうえで、自分に合った制度を選ぶことが大切です。手続きの期限にも注意し、退職が決まったら早めに準備を進めましょう。

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