デジタルインボイス(Peppol)とは?電子インボイスとの違いと標準化の動き

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PDFの請求書をメールで送る、といった対応を「電子インボイス」と呼ぶことがありますが、これから経理担当者が耳にする機会が増える「デジタルインボイス」は、それとは異なる概念です。国際標準の仕組みであるPeppol(ペポル)を軸に、その違いと今後の動きを整理します。

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デジタルインボイスとは

デジタルインボイスとは、請求書の情報を、人の手を介さずに売り手のシステムから買い手のシステムへ直接データ連携できる、標準化された構造化データのことです。PDFやメール本文に記載された請求書データは、人が目で見て入力し直す必要がありますが、デジタルインボイスは受け取った側のシステムがそのまま自動で読み込み、会計・販売管理システムに反映できる点が大きな違いです。

Peppol(ペポル)とJP PINTの関係

Peppolは、特定の企業が提供するサービスや製品ではなく、電子文書をやり取りするための国際的な標準仕様で、ベルギーに拠点を置く非営利団体OpenPeppolが管理し、30か国以上で採用されています。日本では2021年9月にデジタル庁が日本の管理局(Japan Peppol Authority)となり、日本の商習慣にあわせた標準仕様「JP PINT」を策定・公表しました。国内の会計ソフトや請求書発行システムの多くが、このJP PINTに対応する形でデジタルインボイスの送受信機能を提供しています。

電子インボイスとの違い

項目電子インボイス(PDF等)デジタルインボイス(Peppol
データの形式非標準・レイアウトは発行者ごとに異なるJP PINTという標準仕様に準拠した構造化データ
受領後の処理目視確認・手入力が必要になりやすいシステムへの自動取り込みが可能
ネットワークメール添付など個別のやり取りPeppolネットワークを介した相互接続

経理業務にもたらす変化

デジタルインボイスが普及すると、受発注、請求、入金消込といった一連のバックオフィス業務をデータ連携によって完結させやすくなり、手入力や目視でのチェック作業を減らせる可能性があります。ただし、取引先ごとの対応状況にはばらつきがあり、当面は紙・PDF・デジタルインボイスが混在する状態が続くと考えられます。自社の会計・請求システムがPeppol(JP PINT)に対応しているかどうかを確認しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. デジタルインボイスに対応しないとインボイス制度上の仕入税額控除ができなくなるのか。

A. 現時点でデジタルインボイスの利用は義務ではありません。適格請求書としての記載事項を満たしていれば、紙やPDFであっても仕入税額控除の対象になります。

Q. Peppolを使うには専用のソフトを契約する必要があるか。

A. Peppolネットワークに接続するには、対応している会計・請求書発行システム(アクセスポイント)を利用するのが一般的です。自社で新たにシステムを開発する必要はありません。

Q. デジタルインボイスは電子帳簿保存法の電子取引データの保存要件とどう関係するか。

A. デジタルインボイスとして受け取ったデータも電子取引データにあたるため、電子帳簿保存法の保存要件(真実性・可視性の確保)にしたがって保存する必要があります。

導入に向けて準備しておきたいこと

デジタルインボイスへの対応を検討する際は、まず自社で利用している会計ソフトや請求書発行システムがJP PINTに対応しているか、あるいは今後対応予定があるかをベンダーに確認することから始めるとよいでしょう。また、主要な取引先がPeppolネットワークへの接続を進めているかどうかも、導入の優先度を判断する材料になります。取引先の対応が進んでいない段階で自社だけが先行して導入しても、実際にデジタルインボイスでやり取りできる相手は限られるため、業界内の動向を見ながら段階的に準備を進める企業が多いのが実情です。

まとめ

デジタルインボイス(Peppol)は、電子インボイスをさらに一歩進めた、業務の自動化を見据えた仕組みです。受け取ったデータの保存については、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。具体的な保存要件については、別記事「電子取引データの保存要件とは?検索要件とファイル名の付け方の実務」もご確認ください。

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