上場株式の配当金を受け取ると、証券会社によってあらかじめ税金が源泉徴収されていますが、実は確定申告の方法によって税負担を調整できる場合があります。「配当金の税金は源泉徴収だけで終わり」と思い込んでいる方も多いかもしれませんが、課税方式の選び方次第で有利になるケースもあります。この記事では、3つの課税方式の違いを整理します。
配当金にかかる3つの課税方式
申告不要制度
配当金は、支払いの際に一定の税率で源泉徴収されており、確定申告をしなくても納税が完結する「申告不要制度」を選ぶことができます。手間をかけずに済ませたい場合に選ばれる方式です。
総合課税と申告分離課税
確定申告をする場合は、給与所得など他の所得と合算して税率が決まる「総合課税」、または上場株式等の譲渡所得などと同じ税率が適用される「申告分離課税」のいずれかを選択できます。
総合課税を選ぶメリット
配当控除が適用される
総合課税を選択すると「配当控除」の適用を受けられ、一定の算式で計算した金額を税額から差し引くことができます。課税所得が一定水準以下の方にとっては、総合課税を選んだ方が税負担が軽くなる場合があります。
所得水準によっては不利になることもある
総合課税は所得が高くなるほど税率が上がる累進課税であるため、他の所得と合算した結果、税率が高くなり、申告分離課税より不利になるケースもあります。自分の所得水準を踏まえて判断することが大切です。
申告分離課税を選ぶメリット
株式の譲渡損失と損益通算できる
申告分離課税を選択すると、上場株式等の譲渡損失がある場合に、配当所得と損益通算することができます。譲渡損失が出た年は、申告分離課税を選んだ方が有利になりやすいとされています。
配当控除は適用されない
申告分離課税を選んだ場合、総合課税で受けられる配当控除は適用されません。損益通算のメリットと配当控除のメリットを比較し、どちらが有利かを検討する必要があります。
よくある質問
Q. 所得税と住民税で異なる課税方式を選べますか?
以前は所得税と住民税で異なる課税方式を選択できましたが、制度改正により、現在は所得税の確定申告で選択した課税方式が住民税にも適用され、両者を一致させる必要があります。
Q. NISA口座の配当金にも課税方式の選択は関係しますか?
NISA口座内で受け取る配当金は非課税であるため、そもそも課税方式を選択する必要はありません。今回の内容は、特定口座など課税口座で受け取る配当金が対象です。
まとめ
上場株式の配当金には、申告不要制度・総合課税・申告分離課税という3つの課税方式があり、所得水準や譲渡損失の有無によって有利な方式が変わります。総合課税は配当控除が使える一方、申告分離課税は譲渡損失との損益通算ができるという違いがあります。自分の状況に合わせて、確定申告の際にどの方式を選ぶか検討するとよいでしょう。

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