副業を始めたばかりの時期は、初期投資がかさみ、赤字になってしまうことも珍しくありません。「副業の赤字は、本業の給与所得の税金を減らすのに使えるのでは」と考える方もいますが、これは所得区分によって扱いが大きく異なります。この記事では、副業の赤字と損益通算の関係を整理します。
損益通算とはどのような仕組みか
赤字の所得と黒字の所得を相殺できる制度
損益通算とは、ある所得区分で生じた赤字を、他の所得区分の黒字と相殺できる制度です。損益通算が認められれば、給与所得から副業の赤字分を差し引いて、所得税・住民税の負担を軽減することができます。
すべての所得区分で認められるわけではない
損益通算の対象となる所得は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の赤字に限定されており、これを「損益通算できる所得」の頭文字をとって「不動産・事業・山林・譲渡(ふじさんじょう)」と呼ぶこともあります。
副業の所得区分による違い
事業所得の赤字は給与所得と損益通算できる
副業が事業所得に区分される場合、その赤字は給与所得と損益通算することができ、結果として給与から源泉徴収されていた所得税の一部が還付されることもあります。ただし、事業所得と認められるには、事業としての実態や帳簿の保存が前提となります。
雑所得の赤字は損益通算の対象外
副業が雑所得に区分される場合、その赤字は給与所得など他の所得と損益通算することができません。雑所得内での他の雑所得との相殺は可能な場合がありますが、給与所得を減らす効果は得られない点に注意が必要です。
副業の赤字を活用する際の注意点
赤字を意図的に作り出す行為はリスクが高い
節税だけを目的に、実態のない経費を計上したり、必要以上の支出を行ったりして意図的に赤字を作り出す行為は、税務調査で否認されるリスクが高く、追徴課税の対象にもなり得ます。あくまで実態を伴った事業活動の結果として赤字が生じた場合に、適切に申告することが大切です。
継続的な赤字は事業性が疑われることもある
何年も継続して赤字が続く副業は、税務署から「営利を目的とした事業ではないのでは」と判断され、事業所得ではなく雑所得として扱われる可能性があります。事業計画をもとに、黒字化に向けた取り組みを行っていることを説明できるようにしておくとよいでしょう。
よくある質問
Q. 損益通算しても引ききれない赤字はどうなりますか?
事業所得の赤字で、給与所得と損益通算してもなお引ききれない場合、青色申告をしていれば、その赤字を翌年以後3年間繰り越して控除することができます。
Q. 損益通算のために確定申告は必須ですか?
はい。損益通算を適用するには確定申告が必要です。給与から源泉徴収された税額の還付を受けるためにも、申告の手続きを行いましょう。
まとめ
副業の赤字を本業の給与所得と損益通算できるかどうかは、その副業が事業所得か雑所得かによって異なります。事業所得であれば損益通算が可能ですが、雑所得は対象外です。ただし、意図的な赤字づくりや継続的な赤字は税務上のリスクを伴うため、実態を伴った申告を心がけましょう。

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