FP技能検定2級は、金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会という2つの団体が実施しており、実施団体によって合格率が大きく異なることで知られています。2025年にはペーパー試験からCBT(コンピュータ)方式へ完全移行し、試験の実施形態そのものが大きく変わりました。本稿では、両団体が公表している公式データをもとに、直近の受験者数・合格率の推移をペーパー試験期とCBT試験期に分けて整理します。
受験者数・合格率の推移
FP2級は2025年1月実施分を最後にペーパー試験(紙試験)を終了し、以降はCBT方式(通年で受験できる方式)に一本化されました。ペーパー試験は年3回(1月・5月・9月)ごとに結果が公表されていましたが、CBT方式では半年ごとの実施期間(4月~9月、10月~翌2月)でまとめて結果が公表される形式に変わっています。本稿執筆時点(2026年9月)で確認できる最新のデータとして、2026年8月までの実施分を掲載しています。FP2級はFP3級から続けて取得を目指す社会人だけでなく、金融機関の昇格要件や社内資格として指定されているケースもあり、受験者数の規模が大きいことも特徴です。
きんざい実施分の推移
| 実施時期 | 区分 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2025年1月(紙) | 学科 | 23,462名 | 4,645名 | 19.79% |
| 2025年1月(紙) | 実技 | 14,826名 | 6,400名 | 43.16% |
| 2025年4月~9月(CBT) | 学科 | 13,447名 | 3,259名 | 24.24% |
| 2025年4月~9月(CBT) | 実技 | 8,067名 | 4,267名 | 52.89% |
| 2025年10月~26年2月(CBT) | 学科 | 18,417名 | 4,433名 | 24.07% |
| 2025年10月~26年2月(CBT) | 実技 | 9,970名 | 5,159名 | 51.74% |
日本FP協会実施分の推移
| 実施時期 | 区分 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2025年1月(紙) | 学科 | 21,678名 | 9,634名 | 44.44% |
| 2025年1月(紙) | 実技 | 19,135名 | 9,342名 | 48.82% |
| 2025年4月~9月(CBT) | 学科 | 25,387名 | 13,906名 | 54.78% |
| 2025年4月~9月(CBT) | 実技 | 20,747名 | 14,455名 | 69.67% |
| 2026年4月~8月(CBT) | 学科 | 24,773名 | 12,476名 | 50.36% |
| 2026年4月~8月(CBT) | 実技 | 21,286名 | 12,076名 | 56.73% |
データから読み取れる傾向
ペーパー試験期の合格率も団体で差があった
CBT移行前のペーパー試験期を振り返っても、2025年1月実施分の学科合格率はきんざいが19.79%、日本FP協会が44.44%と、すでに大きな差が生じていました。実技試験も、きんざいが43.16%であったのに対し日本FP協会は48.82%とやや高く、団体間の合格率の差はCBT移行によって新たに生まれたものではなく、以前から続いてきた傾向であることがうかがえます。
実施団体による合格率の差
直近のCBT期間で比較すると、学科試験の合格率はきんざいが24%前後であるのに対し、日本FP協会は47%~55%程度と、2倍以上の開きがあります。これは出題内容そのものの違いというより、受験者層の違いが影響している可能性があると考えられます。きんざいの2級試験は金融機関の職員が業務上の必要から受験するケースが多いとされる一方、日本FP協会は個人で目的意識を持って学習してきた受験者が相対的に多いという見方もあり、こうした受験者層の違いが合格率の差につながっていると考えられます。
CBT移行による変化
紙試験の時代と比べると、CBT移行後は年3回だった実施回数が通年受験可能な形に変わり、結果発表も半年単位の期間集計になりました。合格率の水準そのものは移行前後で大きく変わっていない実施団体もありますが、自分の都合の良いタイミングで受験できるようになったことは、社会人受験生にとって学習計画を立てやすくなった変化といえるでしょう。
受験者数はCBT移行後も高水準
CBT移行後も、日本FP協会実施分の学科試験は1期あたり25,000名~29,000名程度、きんざい実施分も13,000名~18,000名程度の受検者数を保っており、FP2級が資格試験の中でも特に受験者数の多い試験であることに変わりはありません。通年で受験できるようになったことで、繁忙期を避けて受験時期を選べるようになった点も、受験者数を下支えしている要因の一つと考えられます。
難易度の実態と学習のポイント
FP2級は3級からのステップアップとして受験する人が多い一方、学科試験の合格率が団体によっては20%台前半にとどまることもあり、決して簡単な試験ではありません。特にきんざいで受験する場合は、公表されている合格率が低めであることを踏まえて、標準的な学習期間よりやや余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
また、FP2級と同じく社会人の実務スキル証明として人気が高い資格にビジネス実務法務検定2級の受験者数・合格率の推移まとめ|3級との違いも解説があり、法務知識とあわせて学習することで業務の幅を広げられます。
実技試験は学科試験より合格率が高い傾向にありますが、事例形式の問題で計算力と制度知識の両方が問われるため、学科の暗記だけに偏らず、早い段階から実技の過去問演習を並行して進めることが合格への近道です。
なお、FP2級の実技試験には「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」など複数の選択科目があり、団体・科目によって出題される事例のテーマが異なります。自分の仕事や興味関心に近い科目を選ぶと、事例文の状況をイメージしやすく、学習効率が上がりやすいというメリットがあります。
よくある質問
Q. FP2級はきんざいと日本FP協会のどちらで受けたほうが合格しやすいか。
公表データを見る限り、学科試験の合格率は日本FP協会のほうがきんざいより高い傾向にあります。ただし出題科目や実技試験の選択科目が団体によって異なるため、合格率の高さだけで選ぶのではなく、自分の実務経験やキャリアに合った実技科目があるかも確認したうえで選択することをおすすめします。
Q. FP2級はCBT方式になってから難易度は変わったか。
実施団体・時期によって合格率にばらつきがあり、CBT移行だけを理由に一概に易化・難化したとは言えません。出題形式が紙からパソコン画面に変わった点は学習方法に影響しますが、出題範囲や難易度の設計方針についてCBT移行に伴う変更が公式に説明されているわけではないため、過去問演習を通じて出題傾向を確認することが重要です。
Q. FP2級の受験資格には何が必要か。
FP3級技能士であること、AFP認定研修の修了、FP業務に関する2年以上の実務経験など、複数の受験資格ルートが用意されています。自分がどのルートに該当するかは、受験を予定している団体の最新の公式サイトで必ず確認してください。
Q. FP2級はどのくらいの学習期間を見ておけばよいか。
学習経験や実務知識の有無によって個人差が大きいため一概には言えませんが、CBT方式は受験日を自分で選べるため、模擬試験や過去問演習で合格ラインに達したことを確認してから受験日を確定させる進め方がしやすくなっています。
Q. FP2級とAFP資格は同じものか。
FP2級技能士とAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)は別の資格です。AFPは日本FP協会が認定する資格で、FP2級合格に加えて所定の認定研修を修了することなどが要件となります。混同しやすい名称のため、それぞれの認定要件を公式サイトで確認しておくと安心です。
まとめ
FP2級は、きんざいと日本FP協会という実施団体によって合格率に大きな差があり、また2025年のCBT移行によって試験の実施形態も大きく変わりました。直近のデータでは学科試験の合格率がきんざいで24%前後、日本FP協会で47%~55%程度となっており、受験する団体によって難易度の体感が異なる可能性があります。自分がどちらの団体で受験するかを早めに決め、その団体の過去の合格率データを踏まえて学習計画を立てることが合格への近道です。

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