住宅ローン控除の年末調整|2年目からの必要書類と、なくした・残高が違うときの対処法【令和8年分】

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11月に入ると、会社から年末調整の書類を集める案内が届きます。家を購入して2年目以降の方にとって、この時期にいちばん大きいのが住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)です。きちんと提出すれば、所得税がまとまって戻ってくることもある大切な控除です。

一方で、「どの書類を出せばいいの?」「税務署から届いた書類をどこにしまったか分からない」と、毎年慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」とタックスアンサーをもとに、2年目以降の年末調整の流れと、困ったときの対処法をまとめます。

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住宅ローン控除は1年目が確定申告、2年目から年末調整

まず大前提として、住宅ローン控除を受ける最初の年分は、会社員の方でも確定申告が必要です。年末調整では1年目の控除は受けられません。

1年目に確定申告をしておけば、2年目以後は年末調整で控除を受けられるようになります。毎年確定申告をしなくてよいのは、会社員の方にとって大きなメリットです。

なお、その年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件のため、年の途中で転居して住まなくなった場合は、その年は控除を受けられない点に注意してください。

年末調整で会社に提出する書類

2年目以降に会社へ提出するのは、基本的に次の2つです。

書類どこから届く?ポイント
年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書税務署控除を受ける各年分がまとめて届く。毎年1枚ずつ使う
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書金融機関調書方式の場合は添付不要

「調書方式」なら残高証明書は不要

最近は、金融機関が税務署に年末残高調書を提出する「調書方式」が始まっており、この方式の場合は年末残高等証明書を会社に提出する必要がありません。一方、金融機関から証明書が届く「証明書方式」の場合は、これまでどおり証明書の添付が必要です。ご自身がどちらの方式なのかは、税務署から届いた書類や金融機関からの案内で確認しておきましょう。

申告書はいつ届く?

国税庁の資料によると、書面で受け取る場合は、調書方式なら入居2年目の11月下旬頃、証明書方式なら入居2年目の10月下旬頃に、控除を受ける各年分がまとめて送られてきます。確定申告の際にe-Taxでの交付を希望した方は、調書方式なら毎年11月中旬頃、証明書方式なら毎年10月頃に、e-Taxのメッセージボックスに格納されます。

まとめて届いた申告書は翌年以降の分も使うため、捨てずに保管しておいてください。

控除額の考え方と主な要件

控除額は、原則として「年末残高等×控除率」で計算し、居住した年や住宅の区分ごとに控除限度額が決まっています。令和4年以後に入居した方の控除率は0.7%です。控除限度額や控除期間は入居年と住宅の性能(認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅など)によって変わるため、ご自身の入居年の区分は税務署から届いた控除証明書や国税庁のタックスアンサーで確認しましょう。

年末調整の時点でも確認される主な要件は次のとおりです。

要件内容
居住入居後、その年の12月31日まで引き続き住んでいること
所得その年分の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の特例の場合は1,000万円以下)
年末残高実際の年末残高にもとづいて計算すること(繰上返済などで証明書と違う場合は直す)

所得要件は、給与収入だけの方であれば気にする場面は少ないものの、副業や不動産所得、株式の譲渡益などがある方は合計所得金額が増えるため注意が必要です。国税庁の資料でも、給与所得以外の所得がある人は注意するよう呼びかけられています。

困ったときの対処法

税務署から届いた申告書をなくしたとき

なくしてしまっても再交付を受けられます。住所地を所轄する税務署長に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出すれば再交付してもらえます。代理人が申請する場合は、委任状と代理人本人の本人確認書類が必要です。年末調整の締切に間に合わないこともあるため、気づいたらすぐに手続きしましょう。

年末残高等証明書が年末調整に間に合わないとき

証明書方式で、金融機関からの証明書が会社の締切に間に合わない場合は、翌年1月31日までに証明書を受け取れば、会社に提出して年末調整の再計算をしてもらえます。それにも間に合わなければ、確定申告で控除を受けることができます。

繰上返済などで実際の残高が違うとき

繰上返済をしたなどの理由で、実際の年末残高が証明書や申告書に記載された額と異なる場合は、実際の年末残高で正しい申告書を作成し直して提出する必要があります。調書方式なら返済計画表などで実際の残高を確認し、証明書方式なら金融機関から改めて証明書を取得しましょう。

夫婦の連帯債務・ペアローンのとき

連帯債務の場合は、12月31日時点の残高にご自身の負担割合をかけた額を記載します。年末調整では、申告書の「備考」欄に他の連帯債務者に関する記載が必要です(控除証明書に負担割合が印字されている場合は不要)。記載漏れが非常に多いところなので、提出前にもう一度見直してください。

実務でもここの記載漏れが多く、後に税務署から問合せがくる可能性があるので要注意!

経理・給与担当者がチェックしたいポイント

会社側でも、次の点を毎年確認しておくと安心です。

・税務署から届いた申告書は、給与の支払者(会社)の下で保管するもの。年末調整後に本人へ返却しない

・証明書方式なのに年末残高等証明書が添付されていない、年末残高の記載が漏れている、といった不備がないか

・連帯債務の負担割合や「備考」欄の記載があるか

・2か所以上から給与を受けている人は、年末調整で控除しきれない額を確定申告で控除できる場合があるため、本人に案内する

なお、令和8年分の年末調整では基礎控除や給与所得控除などの改正があり、12月の年末調整で1年分の税額を精算する形になっています。住宅ローン控除そのものの計算方法が変わったわけではありませんが、所得税額が変わることで控除しきれない額が出やすくなるケースもあるため、源泉徴収票の金額はしっかり確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 住宅ローン控除の1年目も年末調整で受けられるのか。

受けられません。控除を受ける最初の年分は、会社員の方でも確定申告が必要です。1年目に確定申告をすれば、2年目以後は年末調整で控除を受けられるようになります。

Q. 年末残高等証明書を提出しなくてよいのはどんな場合か。

金融機関が税務署に年末残高調書を提出する「調書方式」の場合は、年末残高等証明書の添付は不要です。証明書方式の場合はこれまでどおり添付が必要です。

Q. 税務署から届いた申告書をなくした場合はどうすればよいのか。

住所地を所轄する税務署長に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出すれば再交付してもらえます。

Q. 年末調整に間に合わなかった場合は控除を受けられないのか。

受けられます。証明書を翌年1月31日までに会社に提出すれば年末調整の再計算をしてもらえますし、それにも間に合わなければ確定申告で控除を受けられます。

Q. 年の途中で引っ越した場合も控除を受けられるのか。

その年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件のため、年の途中で住まなくなった場合はその年の控除は受けられません。

まとめ

住宅ローン控除は、1年目に確定申告をすれば、2年目以後は年末調整で受けられます。会社に提出するのは税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」と、証明書方式の場合の「年末残高等証明書」の2つです。調書方式であれば残高証明書は不要です。

申告書をなくしたら税務署に再交付を申請、証明書が間に合わなければ翌年1月31日までの再計算か確定申告、繰上返済で残高が違えば正しい申告書を作り直す、という対処法を知っておけば慌てずに済みます。連帯債務の記載や所得要件など、迷うところは早めに会社や税理士に相談してください。

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