令和8年度の社会保険料率はどう変わる?協会けんぽの改定と「子ども・子育て支援金」を解説

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給与計算や社会保険の手続きを担当していると、「毎年4月頃に保険料率が変わる」ということはご存知の方も多いと思います。令和8年度も、協会けんぽの保険料率や介護保険料率が改定されるほか、新たに「子ども・子育て支援金」の徴収が始まる予定です。この記事では、令和8年度の社会保険料に関する主な変更点を、給与計算担当者の方にもわかりやすく整理します。保険料率は都道府県や制度改正の状況によって変動するため、実際の料率は必ず協会けんぽなど公式発表の最新情報でご確認ください。

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令和8年度に社会保険料率が変わる背景

改定はいつから適用されるのか

協会けんぽの都道府県単位保険料率や介護保険料率は、例年3月分(4月納付分)の保険料から改定されるのが通例です。給与から保険料を徴収するタイミングは会社によって「当月徴収」か「翌月徴収」かで異なりますが、翌月徴収の会社であれば、4月に支払う給与から新しい料率が反映されることになります。

都道府県単位保険料率の改定内容

全国平均は9.9%程度、都道府県ごとに差がある

令和8年度の都道府県単位保険料率は、全国平均でおおむね9.9%程度となる見込みです。多くの都道府県で前年度より引き下げられる一方、一部の県では据え置きとなるなど、地域によって差があります。ご自身の会社が加入している都道府県の料率は、協会けんぽの公式サイトで公表されている都道府県別の保険料額表で確認することができます。

介護保険料率の引き上げ

対象となるのは40歳から64歳の第2号被保険者

介護保険料率は全国一律で、令和7年度の1.59%から令和8年度は1.62%程度に引き上げられる見込みです。介護保険料は、40歳から64歳までの「介護保険第2号被保険者」に該当する従業員の給与から、健康保険料にあわせて徴収されます。40歳の誕生月から徴収が始まるなど、年齢によって対象・非対象が変わるため、給与計算の際には従業員ごとの年齢確認も忘れずに行いましょう。逆に65歳に到達すると健康保険からの介護保険料徴収は終了し、以後は原則として年金からの天引きなど別の形で徴収される仕組みに切り替わるため、あわせて把握しておくとよいでしょう。

新設「子ども・子育て支援金」とは

徴収開始時期と料率の目安

令和8年4月から、少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金」の徴収が始まる予定です。被用者保険における令和8年度の料率は0.23%程度とされており、今後段階的に引き上げられ、数年かけて最終的な水準に達する見込みとされています。適用は令和8年4月分の保険料からとされているため、翌月徴収の会社では5月に支払う給与から反映されることになります。健康保険料と同様に、労使折半で負担する仕組みが取られる見込みのため、会社側の負担額も増えることになる点は、資金繰りを考えるうえでもあらかじめ把握しておきたいポイントです。

給与計算担当者が行うべき対応

子ども・子育て支援金は、健康保険料と一体的に徴収される仕組みとされているため、給与計算ソフトを利用している場合は、システム側の対応状況を確認しておく必要があります。また、給与明細や源泉徴収に関する説明資料に新しい項目が追加される可能性もあるため、従業員から問い合わせを受けた際に説明できるよう、制度の概要を押さえておくと安心です。

実務担当者が押さえておきたいポイント

保険料額表の更新を必ず確認する

保険料率が変わると、給与から控除する保険料額も変わります。協会けんぽが公表する最新の保険料額表を確認し、給与計算に正しく反映されているかをダブルチェックすることが大切です。特に、標準報酬月額の等級ごとに保険料額が一覧化された表を用いている会社では、旧年度の表をそのまま使い続けてしまう入力ミスが起こりやすいため、システム上のマスタ情報が最新の年度に更新されているかもあわせて確認しておきましょう。

組合健保・共済組合に加入している場合の注意点

協会けんぽ以外は保険料率の改定時期が異なることがある

本記事で紹介した保険料率の改定は、主に協会けんぽに加入している会社を前提とした内容です。健康保険組合や共済組合に加入している会社の場合、保険料率の水準や改定のタイミングが協会けんぽとは異なることがあります。ご自身の会社が加入している保険者がどこかを確認したうえで、その保険者が公表している最新の保険料率をあわせて確認するようにしましょう。

子ども・子育て支援金は加入する制度によらず共通の対応が必要

子ども・子育て支援金は、公的医療保険制度に加入するすべての方が対象となる仕組みとされているため、協会けんぽ・組合健保のいずれに加入している場合でも、給与計算上の対応が必要になる点は共通しています。加入する保険者によって案内の時期や様式が異なる可能性もあるため、自社が加入する保険者からの通知を見落とさないようにしましょう。

従業員から質問されたときの説明の仕方

「手取りが減った」という問い合わせへの対応

保険料率が改定されるタイミングでは、給与明細を見た従業員から「急に手取りが減った」といった問い合わせを受けることがあります。健康保険料率の引き下げと介護保険料率・子ども子育て支援金の引き上げが同時に行われる場合、人によっては差し引き額が思ったほど下がらない、あるいはわずかに増えるケースもあり得ます。あらかじめ社内向けにQ&A形式の案内を用意しておくと、個別対応の負担を減らすことができます。標準報酬月額が変わる定時決定の時期と保険料率改定の時期が近い場合は、どちらの影響で控除額が変わったのかを従業員に説明できるよう、あわせて整理しておくとよいでしょう。

制度の目的をあわせて伝えると理解を得やすい

子ども・子育て支援金のように、新しく始まる制度については、単に「保険料が上がります」と伝えるだけでなく、制度の目的や社会全体で子育て世帯を支える仕組みであることもあわせて説明すると、従業員の理解を得やすくなります。厚生労働省や協会けんぽが公表しているリーフレットなどを活用し、正確な情報をもとに説明することを心がけましょう。制度の詳細や今後の料率の見通しは変更される可能性もあるため、社内向けの説明資料は一度作って終わりにせず、最新情報が出るたびに更新していく姿勢が大切です。

まとめ

令和8年度は、協会けんぽの都道府県単位保険料率や介護保険料率の改定に加え、子ども・子育て支援金という新しい制度が始まる、変化の大きい年です。適用時期や料率は都道府県や制度の進捗によって異なるため、本記事の内容はあくまで目安としてご覧ください。正確な料率や適用時期については、協会けんぽの公式サイトや厚生労働省の発表など、一次情報を必ずご確認いただき、給与計算や社会保険手続きに反映するようにしましょう。制度改正が重なる年度は、担当者一人で抱え込まず、社会保険労務士など専門家に確認しながら対応を進めると、ミスや対応漏れを防ぎやすくなります。

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