年末調整の時期になると、従業員から紙の保険料控除証明書を集めて、内容を目視で確認し、申告書に転記するという作業に多くの時間を取られていないでしょうか。マイナポータル連携を活用することで、この一連の作業を効率化できる可能性があります。
保険料控除証明書電子化の仕組み
生命保険会社や損害保険会社などが発行する保険料控除証明書は、電子データ(XML形式)として取得できるようになっています。従業員がマイナポータルと保険会社等のサービスを連携させることで、複数の保険会社が発行する控除証明書のデータを一括で取得し、そのまま年末調整申告書作成システムに取り込むことができます。
紙の証明書との違い
| 項目 | 紙の証明書 | 電子データ(マイナポータル連携) |
| 従業員の作業 | 証明書を保管し、金額を申告書に手書き・入力 | マイナポータルと連携し、データを取得して自動反映 |
| 経理担当者の確認作業 | 証明書と申告書の記載内容を目視で照合 | システム上でデータの整合性を自動チェック |
| 控除額の計算 | 手計算または別途入力が必要 | 年末調整申告書作成システムが自動計算 |
経理実務での導入メリットと注意点
電子データを活用することで、控除額の転記ミスや証明書の紛失リスクを減らし、年末調整業務の繁忙期の負担を軽減できる可能性があります。ただし、全ての従業員がマイナポータルとの連携手続きを行うわけではないため、当面は紙の証明書の提出と電子データの取得が混在する運用になることが想定されます。会社としては、両方の方式に対応できる年末調整システムを導入し、従業員に対して電子化のメリットを周知していくことが求められます。
よくある質問
Q. 従業員全員がマイナポータル連携を利用しないと、電子化のメリットはないのか。
A. 利用する従業員の割合に応じて、経理担当者の確認作業の負担が段階的に軽減されます。全員でなくても、利用が進むほど効果が高まります。
Q. マイナポータル連携を利用するには、マイナンバーカードが必須か。
A. マイナポータルの利用にはマイナンバーカードとその読み取りに対応したスマートフォンやICカードリーダーが必要です。
Q. 電子データを取得した場合、紙の証明書は保管しなくてよいのか。
A. 電子データで正しく保存していれば、原則として紙の証明書を別途保管する必要はありませんが、社内規程や保存方法については税理士に確認することをおすすめします。
従業員への周知の進め方
マイナポータル連携による電子データの取得は、従業員自身が事前に連携設定を行う必要があるため、会社側から一方的に「電子化してください」と指示するだけでは浸透しません。年末調整の案内時期に合わせて、連携の手順を示したマニュアルを配布したり、社内説明会を実施したりするなど、従業員が実際に手続きできるようサポートすることが、電子化を定着させるポイントになります。
まとめ
保険料控除証明書の電子化は、年末調整業務の効率化に直結する変化のひとつです。年末調整に関連する電子化の動きとして、別記事「源泉徴収票の電子交付とは?従業員の同意の取り方と経理の実務対応」もあわせてご確認ください。

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