NISA口座で上場株式を保有していても、配当金の受取方法の設定によっては非課税の対象にならないことがあります。配当金を非課税で受け取るためには「株式数比例配分方式」という受取方法をあらかじめ選択しておく必要があります。この記事では、4つある受取方法の違いと、なぜ比例配分方式だけが非課税の対象になるのか、その仕組みと設定方法を整理します。
配当金の受取方法は4種類ある
上場株式の配当金の受取方法には、証券会社の取引口座で受け取る「株式数比例配分方式」のほか、指定した銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」、郵便局等で受け取る「配当金領収証方式」、銘柄ごとに指定した口座で受け取る「個別銘柄指定方式」があります。
それぞれの受取方法の特徴
登録配当金受領口座方式は、複数の証券会社に口座を持っていても、指定した1つの銀行口座にまとめて配当金を受け取れる点が特徴です。配当金領収証方式は、郵便局等の窓口で配当金領収証と引き換えに現金を受け取る、やや手間のかかる方法です。個別銘柄指定方式は、銘柄ごとに異なる金融機関口座を指定できますが、管理が煩雑になりやすい方法といえます。
NISAで非課税になるのは比例配分方式のみ
これら4方式のうち、NISA口座での非課税措置が適用されるのは株式数比例配分方式を選択した場合に限られます。それ以外の方式を選択していると、NISA口座で保有している株式であっても、配当金には通常どおり約20%の税金が源泉徴収されてしまいます。すでにNISA口座を開設している場合でも、配当金の受取方法が比例配分方式になっているかを確認しておくことが重要です。
なぜ比例配分方式だけが非課税になるのか
非課税措置は、証券会社がNISA口座内の株式に対応する配当金であることを把握できて初めて適用できます。株式数比例配分方式は、証券会社の取引口座で保有株式数に応じて配当金を受け取る仕組みであるため、証券会社側でNISA口座の保有分とそれ以外の口座の保有分を区別し、NISA口座分についてのみ非課税で支払うことが可能です。
一方、登録配当金受領口座方式や配当金領収証方式は、発行会社の株主名簿管理人を通じて銘柄ごとに一括で処理される仕組みであり、証券会社を経由しないため、NISA口座で保有している分だけを区別して非課税にすることが技術的に難しくなります。このような仕組み上の違いが、比例配分方式のみが非課税の対象となる理由だと整理できます。
設定方法
株式数比例配分方式への変更は、証券会社のウェブサイトの口座管理画面や、書面での届出によって行うことができます。複数の証券会社に口座がある場合は、すべての口座で同じ受取方式に統一する必要がある点にも注意が必要です。
課税口座で保有する株式の配当金との違い
課税口座(特定口座・一般口座)で保有する株式の配当金は、受取方法にかかわらず、原則として所得税と住民税をあわせた税率で源泉徴収されます。これに対し、NISA口座で株式数比例配分方式を選択している場合は、同じ株式の配当金であっても課税されず、税引き前の金額をそのまま受け取ることができます。同じ銘柄を保有していても、口座の種類と受取方法の組み合わせによって手取り額に差が生じる点は、あらためて意識しておきたいポイントです。複数の口座で同じ銘柄を保有している場合は、どの口座の分がどの受取方法になっているかを整理しておくと、配当金の受取り状況を正確に把握しやすくなります。
設定を忘れやすいケース
特に注意したいのが、複数の証券会社にNISA口座以外の課税口座も含めて取引口座を持っている場合です。一部の証券会社だけ比例配分方式に設定していても、別の証券会社で異なる受取方式のままになっていると、その口座で保有するNISA株式の配当金は非課税になりません。口座を新たに開設したタイミングや、証券会社を追加したタイミングで、受取方式の設定をあわせて確認する習慣をつけておくと安心です。
よくある質問
Q. 投資信託の分配金についても受取方法の設定は関係するか。
投資信託の普通分配金は、証券会社の特定口座・NISA口座で管理されている場合、原則として株式数比例配分方式と同様の扱いで非課税になります。ただし取扱いの詳細は金融機関に確認することをおすすめします。
Q. 受取方法を比例配分方式に変更すると、これまで受け取った配当金にも遡って非課税が適用されるか。
遡及適用はされません。設定変更後に支払われる配当金から非課税の対象となるため、できるだけ早めに設定しておくことが望まれます。すでに源泉徴収された配当金について、事後的に還付を受けられるかどうかは個別の状況によるため、心当たりがある場合は証券会社に確認することをおすすめします。
Q. NISA口座を開設すると、自動的に株式数比例配分方式に設定されるか。
証券会社によって取扱いが異なります。口座開設と同時に自動的に設定される場合もあれば、利用者自身が別途設定する必要がある場合もあるため、口座開設後に受取方式の設定状況を確認しておくことが重要です。
まとめ
NISA口座で配当金を非課税で受け取るには、受取方法を株式数比例配分方式に設定しておくことが欠かせません。証券会社を経由して保有株式数に応じて支払われる仕組みだからこそ非課税の管理ができるという背景を理解したうえで、口座開設時や保有株式の見直し時、証券会社を追加したときにあわせて設定を確認しておきましょう。

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