年末調整や取引先への報酬支払いに関する事務を担当していると、毎年1月に「法定調書合計表」や源泉徴収票、支払調書の提出作業に追われる方も多いのではないでしょうか。これらの法定調書について、e-Taxなどの電子的な方法による提出が義務化される基準が、2027年1月から大きく引き下げられます。本記事では、その内容と対応のポイントを解説します。
法定調書の電子提出義務化とは
一定の要件を満たす提出義務者は、給与所得の源泉徴収票や、報酬・料金等の支払調書などの法定調書を、e-Taxまたは光ディスク等(CD・DVD等)により提出することが義務づけられています。書面のみで提出できる中小事業者向けの取り扱いは、この基準の引き下げによって対象が拡大されます。
基準の変更内容
| 適用時期 | 電子提出義務化の基準 |
| 〜2026年 | 前々年に提出すべきだった法定調書の枚数が、その種類ごとに100枚以上 |
| 2027年1月〜 | 同様の基準が「30枚以上」に引き下げ |
判定は「法定調書の種類ごと」に行われる点がポイントです。例えば、給与所得の源泉徴収票が30枚以上であっても、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書が30枚未満であれば、後者は引き続き書面での提出が可能です。
対象となる法定調書の例
対象には、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書など、合計63種類の法定調書が含まれます。自社が取り扱っている法定調書の種類ごとに、前々年の提出枚数を確認しておく必要があります。
義務化されているのに書面で提出した場合
電子提出が義務づけられているにもかかわらず書面で提出すると、期限内に提出したとしても、その申告書は無効なものとして扱われる可能性があります。その結果、無申告加算税の対象になったり、2期連続で期限内の適正な提出がなかった場合には青色申告の承認が取り消される可能性もあるとされています。義務化の対象になっているかどうかを事前に必ず確認しましょう。
よくある質問
Q. 自社が2027年から義務化の対象になるかはどう確認すればよいか。
A. 2025年(前々年)に提出した法定調書の種類ごとの枚数を確認し、30枚以上になっている種類がないかをチェックします。給与所得の源泉徴収票など、提出枚数が多くなりやすい調書から優先的に確認するとよいでしょう。
Q. e-Taxのほかに光ディスク等での提出も認められるか。
A. e-Taxのほか、CD・DVDなどの光ディスク等による提出も、電子的な提出方法として認められています。自社のシステム環境に合わせて選択できます。
Q. 義務化の対象でなくても電子提出したほうがよいか。
A. 義務化の対象でなくても、書面作成・郵送の手間を省略できるため、電子提出への切り替えは事務効率化の観点からもメリットがあります。会計・給与ソフトの対応状況を確認して検討するとよいでしょう。
対象となる法定調書の種類
法定調書のe-Tax等による提出義務化の対象となる法定調書には、給与所得の源泉徴収票、報酬・料金等の支払調書、不動産の使用料等の支払調書など、様々な種類が含まれます。判定基準となる「前々年に提出すべきであった当該法定調書の枚数」は、法定調書の種類ごとに判定される点に注意が必要です。例えば、給与所得の源泉徴収票が30枚未満であっても、報酬の支払調書が別に30枚以上あれば、その調書については電子提出が義務化されます。自社がどの法定調書を何枚程度提出しているか、種類ごとに確認しておくことが対応の第一歩になります。
まとめ
法定調書の電子提出義務化基準が2027年1月から30枚以上に引き下げられることで、これまで対象外だった多くの中小企業も義務化の対象になる可能性があります。前々年の提出実績を早めに確認し、対応を進めましょう。国税の納付手続きのデジタル化については、別記事「国税の納付書が届かない?送付廃止とキャッシュレス納付への切り替え実務」もあわせてご覧ください。

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