従業員から妊娠や出産の報告を受けた際、「おめでとうございます」で終わらせてしまい、必要な説明を後回しにしていないでしょうか。育児介護休業法では、こうした申出があった場合に、育児休業制度等について個別に周知し、休業取得の意向を確認することが事業主に義務付けられています。
個別周知・意向確認義務の内容
労働者本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は、育児休業に関する制度の内容や、申出先、育児休業給付に関すること、休業期間中の社会保険料の取り扱いなどを個別に周知するとともに、育児休業を取得する意向があるかどうかを確認することが義務付けられています。周知の方法は、面談、書面交付、ファクシミリ、電子メール等のいずれかによることとされています。
| 項目 | 内容 |
| 義務の発生タイミング | 本人または配偶者の妊娠・出産等の申出を受けたとき |
| 周知すべき事項 | 育児休業に関する制度、申出先、育児休業給付、社会保険料の取り扱い等 |
| 方法 | 面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれか(本人が希望する方法) |
面談を行う際のポイント
面談形式で周知・意向確認を行う場合、単に制度を説明するだけでなく、本人がどの程度の期間休業を希望しているか、産後パパ育休の利用を配偶者が検討しているかなど、具体的な意向を丁寧にヒアリングすることが重要です。この面談は、育児休業の取得を控えさせるような形で行ってはならず、あくまで本人の意向を尊重する趣旨で実施する必要があります。
記録を残しておくことの重要性
個別周知・意向確認を行った事実や、その内容については、記録を残しておくことが望まれます。後になって「説明を受けていない」「休業を諦めるよう言われた」といったトラブルに発展した場合、実施した周知の内容を客観的に示せるようにしておくことが、企業を守ることにもつながります。
よくある質問
Q. 妊娠の申出があった段階で、まだ育休を取るかどうか本人も決めていない場合はどうすればよいか。
A. その時点での意向を確認すれば足り、後になって意向が変わった場合は、あらためて相談を受け付ける体制を整えておくことが望まれます。一度確認したら終わり、というものではありません。
Q. 男性従業員から配偶者の妊娠の報告を受けた場合も、周知・意向確認の対象になるか。
A. 対象になります。労働者本人だけでなく、配偶者が妊娠・出産した場合の申出も義務の対象です。産後パパ育休を含めた制度の周知が必要です。
Q. 周知・意向確認を行わなかった場合、罰則はあるか。
A. 直接の罰則規定はありませんが、法律上の義務であるため、行政からの助言・指導・勧告の対象となり得ます。企業名の公表など、より重い対応につながる可能性もゼロではありません。
まとめ
育児中の柔軟な働き方を支援する制度としては、テレワークの努力義務化も進んでいます。あわせて別記事「育児期のテレワーク、努力義務化で企業が整備すべき在宅勤務規程のポイント」もご確認ください。

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