月額変更届(随時改定)とは?対象となる3つの要件と提出のタイミング

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「従業員の給与を大きく変更したが、社会保険料の手続きはどうすればいいのか」と迷う労務担当者は少なくありません。固定的賃金に大きな変動があった場合、年に1度の定時決定(算定基礎届)を待たずに標準報酬月額を見直す「随時改定(月額変更届)」という手続きがあります。この記事では、対象となる3つの要件と提出のタイミングを整理します。

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随時改定(月額変更届)とは

随時改定は、昇給・降給などにより固定的賃金に変動があり、その結果として標準報酬月額が実態と大きく乖離した場合に、次の定時決定(毎年9月改定の算定基礎届)を待たずに標準報酬月額を改定する手続きです。届出書類の名称から「月額変更届」とも呼ばれます。

随時改定の対象となる3つの要件

随時改定に該当するかどうかは、次の3つの要件をすべて満たすかどうかで判断します。

要件内容
① 固定的賃金の変動昇給・降給、給与体系の変更、日給・時給単価の変更、諸手当の新設・変更など
② 2等級以上の差変動月以降3ヶ月間の報酬平均から算出した標準報酬月額と、従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたこと(上限・下限をまたぐ場合は1等級差でも対象)
③ 支払基礎日数変動月以降3ヶ月とも支払基礎日数が17日以上であること(特定適用事業所の短時間労働者は11日以上)

固定的賃金の変動にあたる例・あたらない例

基本給の昇給・降給、日給や時給単価の変更、役職手当・住宅手当など固定的に支給される手当の新設や変更は「固定的賃金の変動」に該当します。一方、残業手当や皆勤手当のように稼働状況によって毎月変動する非固定的賃金のみが増減した場合は、原則として随時改定の対象にはなりません。

随時改定と定時決定(算定基礎届)との違い

定時決定(算定基礎届)は、毎年7月に提出し、原則としてその年の4月・5月・6月の報酬をもとに9月から適用される標準報酬月額を決める手続きです。これに対して随時改定は、年の途中で固定的賃金に大きな変動があったときに、随時(都度)標準報酬月額を見直す手続きという違いがあります。両方の制度を組み合わせて理解しておくことで、社会保険料の改定タイミングを正しく把握できます。

提出のタイミングと実務上の注意点

随時改定の要件に該当した場合、固定的賃金の変動があった月から起算して4ヶ月目に、年金事務所または健康保険組合に月額変更届を提出します。提出が遅れると、社会保険料の徴収額や標準報酬月額に基づく将来の年金額・傷病手当金等の計算にずれが生じる可能性があるため、給与改定のタイミングであわせて2等級差の判定を行う運用を社内でルール化しておくと安心です。

Q. 残業代が増えただけでも随時改定の対象になりますか?

A. 原則として対象になりません。随時改定は固定的賃金の変動が前提のため、残業手当など非固定的賃金のみの増減では要件を満たしません。

Q. 2等級以上の差とはどのように計算しますか?

A. 固定的賃金の変動があった月以降3ヶ月間に支払われた報酬の平均額をもとに標準報酬月額を算出し、従前の標準報酬月額と比較して2等級以上の差があるかどうかで判定します。

Q. パート・アルバイトにも随時改定は適用されますか?

A. はい。ただし支払基礎日数の要件が異なり、特定適用事業所に勤務する短時間労働者の場合は17日ではなく11日以上が基準となります。

随時改定は、固定的賃金の変動・2等級以上の差・支払基礎日数という3つの要件をすべて満たした場合に必要となる手続きです。毎年の定時決定の手続きについては、別記事「算定基礎届を提出したら次は?社会保険料はいつから変わるのかを解説」もあわせてご参照ください。

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