退職する従業員の中には、雇用保険の加入期間が足りず基本手当(失業給付)を受けられない人や、そもそも雇用保険に加入していなかった人もいます。そうした人向けの支援制度として「求職者支援制度」がありますが、企業側の認知度は必ずしも高くありません。退職者への案内の参考として、制度の概要を整理します。
求職者支援制度の対象となる人
求職者支援制度は、雇用保険の基本手当を受給できない求職者(雇用保険に加入していなかった人、加入期間が足りず受給資格がない人、基本手当の受給が終了した人など)を対象に、無料の職業訓練(求職者支援訓練)を提供し、一定の要件を満たす場合には訓練期間中の生活費として職業訓練受講給付金を支給する制度です。
| 項目 | 内容の目安 |
| 対象者 | 雇用保険の基本手当を受給できない求職者 |
| 支援内容 | 求職者支援訓練の受講、要件を満たせば職業訓練受講給付金を支給 |
| 給付金の主な要件 | 本人収入・世帯収入が一定額以下であること、訓練への出席率が一定以上であることなど |
職業訓練受講給付金を受けるための要件
職業訓練受講給付金は、訓練期間中の生活を支えることを目的とした給付金で、月額の給付に加えて通所手当(交通費)や寄宿手当が支給される場合があります。ただし、本人の収入や世帯全体の収入・資産が一定額以下であること、やむを得ない理由がない限り訓練実施日にすべて出席していることなど、給付を受け続けるための要件が細かく定められている点に注意が必要です。
企業として退職者に案内する際のポイント
契約期間満了や自己都合退職などで、雇用保険の加入期間が足りない従業員が離職する場合、本人が「雇用保険に入っていなかったから何の支援も受けられない」と誤解しているケースも見られます。ハローワークには求職者支援制度という選択肢があることを一言案内しておくだけでも、退職後の生活設計を考えるうえで従業員の助けになります。
よくある質問
Q. アルバイトで雇用保険に一度も加入したことがない人でも対象になるか。
A. 雇用保険の加入歴がない人も、ハローワークで求職の申込みを行い、働く意思と能力があると認められれば、求職者支援制度の対象となり得ます。
Q. 求職者支援訓練は誰でも無料で受けられるのか。
A. 訓練の受講料自体は原則無料ですが、テキスト代など一部実費負担が必要な場合があります。職業訓練受講給付金は、収入等の要件を満たした場合にのみ支給されます。
Q. 自己都合退職者も対象になるか。
A. 離職理由にかかわらず、雇用保険の基本手当を受給できない求職者であれば、求職者支援制度の対象となり得ます。まずはハローワークで相談することが第一歩です。
まとめ
雇用保険に関する制度は、離職理由や年齢、雇用形態によって利用できる支援が異なります。副業をしている人の雇用保険の考え方については、別記事「副業者の雇用保険、一つの会社でしか加入できない理由と要件」もあわせてご確認ください。

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