「試用期間中は本採用ではないから、社会保険への加入は本採用後でよいのでは」という誤解にもとづく運用が、一部の事業所で見られます。しかし、試用期間であることは、社会保険の加入要件とは直接関係がなく、要件を満たせば入社日から加入させる必要があります。
試用期間の有無は加入要件に影響しない
健康保険・厚生年金保険の加入要件は、常用的な使用関係にあるかどうかや、労働時間・賃金の要件を満たすかどうかによって判断されます。試用期間中であっても、雇用契約が締結され、通常の従業員と同様に働く実態があれば、原則として入社日から被保険者としての要件を満たすことになります。「試用期間だから」という理由だけで加入を先延ばしにすることは認められません。
| 項目 | 内容 |
| 資格取得日 | 原則として入社日(使用関係が発生した日) |
| 試用期間の影響 | 試用期間であることのみを理由に加入を遅らせることはできない |
| 届出の期限 | 資格取得の事実があった日から5日以内に届出 |
入社時に確認すべきこと
入社日を資格取得日として、5日以内に資格取得届を提出する必要があります。試用期間中に労働条件が本採用時と異なる場合(労働時間が短い、契約形態が異なる等)は、その時点での労働時間・賃金にもとづいて加入要件を満たすかどうかを判断することになります。試用期間中は短時間勤務とし、本採用後にフルタイムに切り替えるといった運用をしている場合は、それぞれの期間ごとに加入要件を確認する必要があります。
試用期間中に退職した場合の手続き
試用期間中に本人の意思や適性判断により退職・解雇となった場合でも、その間に社会保険の加入要件を満たしていた以上、資格取得届と資格喪失届の両方の手続きが必要です。短期間の在籍であっても、手続きを省略してよいわけではない点に注意が必要です。
よくある質問
Q. 試用期間中は雇用保険にも加入させる必要があるか。
A. 雇用保険についても、試用期間中であることを理由に加入を遅らせることはできません。1週間の所定労働時間が20時間以上であるなど、雇用保険の加入要件を満たせば、試用期間中から加入させる必要があります。
Q. 試用期間中に労働時間や契約内容が確定していない場合はどうすればよいか。
A. 雇用契約書や労働条件通知書に記載された試用期間中の労働条件にもとづいて、加入要件を満たすかどうかを判断します。契約内容が曖昧なまま社会保険の判定を先送りすることは避けるべきです。
Q. 試用期間中に加入手続きを忘れていた場合、どう対応すればよいか。
A. 気づいた時点で速やかに、遡って資格取得の手続きを行う必要があります。保険料も遡って発生するため、本人負担分の精算方法についても、あわせて対応を検討する必要があります。
まとめ
入社時期にあわせて、月末退職・月途中退職による資格喪失日の違いなど、社会保険の適用のタイミングに関するルールを正しく理解しておくことが重要です。あわせて別記事「社会保険の得喪日と月末退職、翌月1日退職で保険料が変わる理由」もご確認ください。

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