税理士試験の受験者数・合格率の推移まとめ|科目別データで見る難易度

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税理士試験は科目合格制を採用しており、単年度の合格率だけでは難易度を判断しにくい資格試験です。国税庁が公表している直近5年分のデータを見ると、受験者数は令和3年度以降5年連続で増加し、合格率も年度によって16%台から21%台まで変動しています。本稿では、国税庁が公表した令和3年度(第71回)から令和7年度(第75回)までの試験結果をもとに、受験者数・合格率の推移と、科目合格制ならではの特徴、これから受験を検討する人が押さえておきたいポイントを整理します。

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税理士試験の受験者数・合格率の推移(令和3年度〜令和7年度)

国税庁が公表している税理士試験結果によると、直近5年間の受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。合格者数には、5科目すべてに到達した「5科目到達者」と、一部科目のみ合格した「一部科目合格者」の両方を含みます。

年度(回数)受験者数合格者数(内5科目到達者)合格率
令和3年度(第71回)27,299人5,139人(585人)18.8%
令和4年度(第72回)28,853人5,626人(620人)19.5%
令和5年度(第73回)32,893人7,125人(600人)21.7%
令和6年度(第74回)34,757人5,762人(578人)16.6%
令和7年度(第75回)36,320人7,847人(527人)21.6%

このデータは国税庁が各年度の試験結果として公式サイトで公表しているものです(確認日:2026年9月)。令和7年度が本稿執筆時点で確認できる最新のデータです。

データから読み取れる傾向

受験者数は5年連続で増加

令和3年度の27,299人から令和7年度の36,320人へと、受験者数は5年間で約9,000人増加しています。令和5年度に受験資格の見直しが行われたことなども、受験者層の広がりに影響している可能性があると考えられます。社会人受験生にとっては、受験者数の増加は競争が激しくなる面がある一方、母数が増えることで合格者数自体も増加する傾向が見られます。

合格率は年度による変動が大きい

合格率は16.6%(令和6年度)から21.7%(令和5年度)まで、年度によって5ポイント以上の差があります。この変動には、その年に出題された内容や受験生の準備状況など複数の要因が影響していると考えられ、単年度の合格率だけで「易化した」「難化した」と断定することは避けるべきです。複数年のデータを並べて傾向を確認することが重要です。

科目別の合格率にも差がある

税理士試験は、簿記論・財務諸表論の会計科目2科目と、法人税法・所得税法・相続税法・消費税法などの税法科目から選択する9科目の、合計11科目から5科目を選んで受験します。国税庁が公表している令和6年度(第74回)の科目別合格率を見ると、科目によって合格率に大きな差があることが分かります。

科目合格率(令和6年度)
簿記論17.4%
財務諸表論8.0%
所得税法12.6%
法人税法16.4%

会計科目である簿記論・財務諸表論は、受験者の多くが早い段階で受験する科目である一方、財務諸表論のように理論と計算の両方が問われる科目は合格率が低くなる傾向があります。税法科目もボリュームが大きい法人税法・所得税法から、比較的範囲が絞られた科目までさまざまで、どの科目を先に受験するかによって体感的な難易度は変わってきます。

申込者数に対する実受験率も確認しておきたい

国税庁が公表した令和5年度(第73回)のデータでは、受験申込者数41,256人に対して実際の受験者数は32,893人で、受験率は79.7%でした。申込みをしても、当日欠席する人が2割程度存在することがうかがえます。仕事の都合で受験できなくなるケースも想定されるため、社会人受験生は申込み後も体調管理や業務との調整を含めた準備を心がける必要があります。

難易度の実態と学習のポイント

科目合格制ならではの合格率の見方

税理士試験は11科目のうち5科目に合格すれば良い科目合格制のため、年度ごとの「合格者数」には5科目そろって官報合格した人と、一部科目のみ合格した人の両方が含まれます。令和7年度を例にすると、合格者7,847人のうち5科目到達者は527人にとどまり、大半は一部科目合格者です。1年で5科目合格を目指すのではなく、複数年かけて科目を積み上げていく受験生が多いことが、このデータからも読み取れます。逆に言えば、単年度の合格率だけを見て「今年は難しかったから来年に回そう」と判断するのではなく、5年程度のスパンで自分の学習計画を組み立てる視点が欠かせません。

学習計画への活かし方

社会人受験生の場合、まず簿記論・財務諸表論などの必須科目から着手し、税法科目を年ごとに1〜2科目ずつ積み上げていく計画が一般的です。受験を検討する段階で会計知識の土台を確認したい場合は、日商簿記1級の受験者数・合格率の推移まとめ|なぜ難関資格と言われるのかも参考になります。過去5年分の合格率の推移を見ておくことで、一時的な結果に振り回されず、長期的な学習計画を立てやすくなります。

最新データを確認する際の注意点

税理士試験は毎年8月に実施され、合格発表は例年11月頃に国税庁の公式サイトで行われます。本稿で紹介した数値は執筆時点(2026年9月)で確認できる令和7年度(第75回)までのものであり、翌年度以降の結果はまだ公表されていません。学習計画を立てる際や、記事やブログなどで最新の合格率に言及する際は、国税庁の公式発表ページで最新年度の数値を確認することをおすすめします。

よくある質問

Q. 税理士試験の合格率は下がっているのか。

直近5年の国税庁発表データを見る限り、合格率は16.6%から21.7%の範囲で年度ごとに変動しており、一貫して下がり続けているわけではありません。令和6年度は16.6%と低めでしたが、令和7年度は21.6%まで回復しています。年度単独の数字ではなく、複数年の推移で判断することが大切です。

Q. 税理士試験は1年で合格できるのか。

制度上は1年で5科目に合格することも可能ですが、国税庁の公表データでは合格者の大半が複数年かけて科目を積み上げる一部科目合格者です。令和7年度の合格者7,847人のうち、5科目を一度に到達した人は527人にとどまります。多くの受験生が数年単位の学習計画を立てていることがうかがえます。

Q. 受験者数が増えている理由は何か。

国税庁の公表データでは受験者数が増加している事実は確認できますが、その理由について公式に説明された断定的な情報はありません。受験資格の見直しなど複数の制度変更が影響している可能性があるという見方もあります。

Q. どの科目から受験するのがおすすめか。

国税庁の公表データには科目選択の推奨順序についての公式な言及はありません。一般的には、税理士試験の入口として簿記論・財務諸表論の会計科目から着手し、その後に税法科目へ進む受験生が多いとされていますが、これは学習指導の分野で広く見られる考え方であり、国税庁が推奨しているものではない点に注意が必要です。

Q. 科目別の合格率は毎年同じ傾向になるのか。

国税庁が科目別合格率を公表していますが、年度によって出題内容や受験生の得点状況が異なるため、同じ科目でも合格率は年度ごとに変動します。本稿で紹介した令和6年度の数値はあくまで一時点のデータであり、受験する年度の最新の科目別合格率は、その都度国税庁の公式発表で確認する必要があります。

まとめ

税理士試験の受験者数・合格率は、国税庁が公表するデータをもとに複数年で見ることで、単年度の数字だけでは見えない傾向がつかめます。受験者数は5年連続で増加し、合格率は年度により変動が大きいため、これから受験を検討する人は最新の公式データを確認しながら、科目ごとの特徴も踏まえた長期的な学習計画を立てることが重要です。仕事を続けながら受験する社会人受験生ほど、1年で結果を出すことにこだわらず、5年程度のスパンで無理のない科目積み上げ計画を組むことが、結果的に合格への近道になると考えられます。

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