電子取引データの保存要件とは?検索要件とファイル名の付け方の実務

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メールで受け取ったPDFの請求書や、ECサイトでの購入明細など、電子的にやり取りした取引情報(電子取引データ)は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することが義務づけられています。義務化自体は知っていても、「検索できる状態」という要件を具体的にどう満たせばよいのか、実務で迷う担当者は少なくありません。本記事ではその実務対応を整理します。

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電子取引データの保存義務とは

電子帳簿保存法では、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書等に相当する電子データを電子的に授受した場合、そのデータを一定の要件を満たして保存することが、すべての事業者に義務づけられています。メールに添付されたPDFの請求書、Web明細としてダウンロードした領収書などが対象です。

満たすべき主な要件

要件内容
真実性の確保タイムスタンプの付与、訂正削除履歴が残るシステムの利用、事務処理規程の整備等いずれかの方法
可視性の確保ディスプレイ・プリンタ等の備え付け、システムのマニュアル整備
検索性の確保取引年月日・取引金額・取引先で検索できる状態にすること

検索要件を満たすファイル名の付け方

検索性の要件は、専用のシステムを使わなくても、規則的なファイル名の付け方で満たすことができます。代表的な方法は「日付_取引先名_金額」の形式でファイル名を統一する方法です。例えば「20260910_〇〇商事_110000」のようにファイル名を付け、フォルダ内で検索・並べ替えができるようにしておけば、検索要件を満たしたと認められます。

基準期間の売上高が少ない事業者の簡便的な取り扱い

基準期間の売上高が一定額以下の事業者などについては、税務調査等の際にダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、検索要件そのものを不要とする簡易な取り扱いも認められています。自社の規模によって、どこまで厳密な検索対応が必要かが変わってくるため、対象となるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

保存場所と保存期間

電子取引データは、社内サーバーやクラウドストレージ、対応した会計・経費精算システムなど、電子データのまま保存できる環境に保管します。保存期間は、法人税法上の帳簿書類の保存期間(原則7年、欠損金の繰越控除を受ける場合は10年)にあわせて管理する必要があります。

よくある質問

Q. メールの請求書を紙に印刷して保存するのはNGか。

A. 紙に印刷しての保存だけでは電子取引データの保存要件を満たしたことにはなりません。電子データそのものを、要件を満たす形で別途保存しておく必要があります。

Q. すべての電子取引データにタイムスタンプが必要か。

A. タイムスタンプの付与は真実性を確保する方法の一つに過ぎません。訂正・削除の履歴が残るシステムを利用する方法や、事務処理規程を整備して運用する方法でも要件を満たせます。

Q. フォルダ分けだけで検索要件を満たせるか。

A. 「取引先ごと」「月ごと」にフォルダを分けたうえで、規則的なファイル名を付けていれば、専用システムがなくても検索要件を満たしたと認められる場合があります。ただし、実際の運用が要件に合致しているか、事前に確認しておくことをおすすめします。

検索要件を満たすための実務対応

検索要件は、専用のシステムを導入しなくても、表計算ソフトで作成した索引簿と、規則性を持たせたファイル名(「日付_取引先名_金額」など)の組み合わせによって満たすことができます。ただし、この方法は取引件数が増えるほど索引簿の更新やファイル名の管理が煩雑になりやすいため、電子取引の件数が多い会社では、検索機能を備えた専用の保存システムの導入を検討する方が、長期的には事務負担を抑えられる場合があります。また、基準期間の売上高が一定額以下の小規模な事業者については、税務調査の際にダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、検索要件そのものが不要になる猶予措置も設けられています。自社の規模や取引件数に応じて、無理のない保存方法を選ぶことが大切です。

まとめ

電子取引データの保存は、専用システムがなくても、ファイル名のルール化や事務処理規程の整備で対応できます。まずは自社が受け取っている電子取引データの種類を洗い出し、保存ルールを整えることから始めましょう。紙で受け取った書類の電子化については、別記事「電子帳簿保存法のスキャナ保存制度とは?タイムスタンプ不要になるケースと保存期限」もあわせてご確認ください。

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