棚卸資産の評価方法とは?届出をしないとどうなるかを解説

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「棚卸資産の評価方法の届出書を出した記憶がない」という会社は、実は少なくありません。届出をしなくても罰則があるわけではありませんが、自動的に適用される評価方法が、必ずしも自社に有利とは限らない点に注意が必要です。

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棚卸資産の評価方法とは

棚卸資産(商品・製品・原材料・仕掛品など)の期末の評価額を計算する方法には、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法などの種類があります。どの方法を選ぶかによって、期末棚卸高、ひいては当期の売上原価・利益の金額が変わってきます。

届出をしなかった場合の法定評価方法

棚卸資産の評価方法の届出書を提出しなかった場合、法人税法上は「最終仕入原価法による原価法」が法定評価方法として自動的に適用されます。最終仕入原価法は、期末に最も近い時期に取得した単価をもとに評価額を計算する方法で、計算方法自体はシンプルですが、仕入価格の変動が激しい業種では実際の原価と評価額がかい離しやすいという特徴があります。

届出書の提出期限

ケース提出期限
新たに法人を設立した場合設立第1期の確定申告書の提出期限まで
新たな事業を開始した場合その事業を開始した事業年度の確定申告書の提出期限まで
評価方法を変更する場合変更しようとする事業年度開始の日の前日まで

評価方法を選ぶ際の考え方

在庫の種類や単価変動の大きさによって、適した評価方法は異なります。例えば、単価が大きく変動する商品を扱う会社では、期末に近い仕入単価だけで評価する最終仕入原価法だと実態と乖離しやすいため、総平均法や移動平均法のほうが実際の原価に近い評価額になる場合があります。自社の在庫の特性にあわせて、税理士と相談しながら評価方法を検討するとよいでしょう。

よくある質問

Q. 一度提出した評価方法は変更できないのか。

A. 変更すること自体は可能ですが、変更しようとする事業年度が開始する日の前日までに「棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。

Q. 法定評価方法(最終仕入原価法)のままでも問題はないか。

A. 届出をしないこと自体に罰則はありませんが、実態と評価額が大きく乖離する可能性がある業種では、他の評価方法を選択したほうが正確な期間損益の把握につながる場合があります。

Q. 会計上(決算書上)の評価方法と、税務上の評価方法は必ず一致させる必要があるか。

A. 実務上は会計上の評価方法と税務上の届出内容を一致させるのが一般的ですが、取り扱いの詳細は税理士に確認することをおすすめします。

評価方法ごとの特徴の比較

評価方法特徴
個別法個々の棚卸資産の実際の取得価額で評価。宝石や不動産など個別性の高い資産に向く
先入先出法先に取得したものから順に払い出したと仮定して評価。価格変動時の実態を反映しやすい
総平均法一定期間の取得価額の総平均単価で評価。計算がシンプルで安定した業種に向く
最終仕入原価法(法定評価方法)期末に最も近い仕入単価で評価。届出をしない場合に自動適用される

まとめ

棚卸資産の評価方法は、届出をしなければ自動的に最終仕入原価法が適用される点を理解したうえで、自社の在庫特性に合った方法を検討することが大切です。決算にかかわる会計基準としては、別記事「新リース会計基準とは?2027年4月適用開始で何が変わるか」もあわせてご確認ください。

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