フレックスタイム制とは?導入のメリットと労使協定の注意点

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始業・終業の時刻を従業員自身の裁量に委ねる「フレックスタイム制」は、柔軟な働き方を実現する制度として注目されています。この記事では、導入に必要な手続きと注意点を整理します。

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フレックスタイム制とはどのような制度か

フレックスタイム制は、一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、その範囲内で、労働者が各日の始業・終業の時刻を自らの裁量で決定できる制度です。育児や介護と仕事の両立、通勤ラッシュの回避など、多様な働き方を実現する手段として導入が進んでいます。

導入に必要な手続き

必要な手続き内容
就業規則等への規定始業・終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を規定
労使協定の締結対象者の範囲、清算期間、総労働時間、コアタイム(任意)等を定める
清算期間が1ヶ月超の場合労使協定を労働基準監督署に届け出る必要がある

コアタイムとフレキシブルタイム

コアタイムとは、必ず勤務しなければならない時間帯のことで、設定は任意です。コアタイムを設けずに完全にフレックスにする「スーパーフレックス」を導入する企業もあれば、会議等のためにコアタイムを設ける企業もあります。フレキシブルタイムは、労働者が始業・終業の時刻を自由に選べる時間帯を指します。

メリットとデメリット

メリットとしては、従業員が業務量やライフスタイルに応じて柔軟に働けることによる生産性向上や定着率向上が挙げられます。一方でデメリットとして、部門間の連携が取りにくくなる、労働時間の管理が複雑になる、清算期間内の労働時間の過不足の精算ルールを明確にしておく必要がある、といった点が挙げられます。清算期間が1ヶ月を超える場合、各月ごとに週平均50時間を超えないようにする等の追加ルールもあり、制度設計には専門的な知識が求められます。

清算期間における労働時間の過不足の扱い

清算期間内の実労働時間が総労働時間に満たなかった場合、不足分の賃金をその月に控除する方法と、不足時間を翌月の総労働時間に上乗せして働いてもらう方法(一定の制限あり)があります。逆に総労働時間を超えて働いた場合は、その超過分は時間外労働として扱い、割増賃金を支払う必要があります。

完全週休二日制の会社での注意点

完全週休二日制の会社でフレックスタイム制を導入する場合、清算期間内の労働日数によっては、法定労働時間の総枠が通常の計算方法と異なる結果になることがあります。この場合、労使協定で「清算期間における法定労働時間の総枠に関する特例」を定めることで、公平な労働時間管理を行うことができます。

テレワークとの組み合わせ

フレックスタイム制はテレワークと組み合わせて導入されることも多く、始業・終業の時刻だけでなく、働く場所も柔軟に選べる制度設計にする企業が増えています。両制度を組み合わせる場合は、労働時間管理の方法をより明確にルール化しておくことが重要です。

導入企業の運用実態

フレックスタイム制を導入している企業では、コアタイムを午前10時から午後3時までのように設定し、それ以外の時間帯をフレキシブルタイムとする運用が広く見られます。実際の運用にあたっては、会議の設定時間帯をコアタイムに集約するなど、部門間の連携が取りやすいような工夫も重要になります。

みなし労働時間制との違い

フレックスタイム制は、労働者が始業・終業の時刻を決定できる制度である一方、事業場外みなし労働時間制や裁量労働制は、実労働時間にかかわらず一定の時間を働いたものとみなす制度です。いずれも柔軟な働き方に関連する制度ですが、労働時間の把握方法や適用対象となる業務の範囲が異なるため、自社にどの制度が適しているかを慎重に検討する必要があります。

中抜け時間の扱い

フレックスタイム制のもとでは、私用のために一時的に職場を離れる「中抜け」を認めるかどうかも、労使協定や社内ルールで明確にしておくことが望まれます。中抜け時間を休憩として扱うのか、労働時間から除外するのかを事前に定めておくことで、労働時間管理をめぐるトラブルを防ぐことができます。

Q. フレックスタイム制でも残業代は発生しますか?

A. はい。清算期間における総労働時間を超えて働いた部分については、時間外労働として割増賃金の支払いが必要です。

Q. 全社員に一律で導入する必要がありますか?

A. いいえ。労使協定で対象者の範囲を定めることができ、部署や職種を限定して導入することも可能です。

Q. 清算期間は最長でどのくらいに設定できますか?

A. 清算期間の上限は3ヶ月です。1ヶ月を超える清算期間を設定する場合は、労使協定の労働基準監督署への届出が必要です。

Q. 完全週休二日制の会社でフレックスタイム制を導入する際の注意点はありますか?

A. はい。清算期間内の労働日数によっては法定労働時間の総枠の計算に注意が必要で、労使協定で特例を定めることができます。

フレックスタイム制は、労使協定の締結によって柔軟な働き方を実現できる制度です。労働時間制度の他の選択肢については、別記事「変形労働時間制とは?1年単位・1ヶ月単位の違いを解説」もあわせてご参照ください。

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