中小企業診断士試験(1次)の受験者数・合格率の推移まとめ|科目合格制度との関係も解説

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中小企業診断士試験の第1次試験は、経済学・財務会計・企業経営理論など7科目のマークシート方式で行われる国家資格試験です。結論から言うと、令和8年度(2026年度)の合格率は23.0%で、直近5年は23%台~30%前後の間で変動しています。この記事では一般社団法人中小企業診断協会(および試験実施機関である日本中小企業診断士協会連合会)が公表した公式データをもとに、直近5年間の受験者数・合格率の推移と、科目合格制度を踏まえた学習の考え方を整理します。

中小企業診断士試験は年齢・学歴・実務経験などによる受験資格の制限がなく、誰でも第1次試験に申し込むことができます。社会人が働きながらキャリアアップやリスキリングの一環として挑戦しやすい試験である点も、幅広い年代の受験者を集めている理由の一つだと考えられます。

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中小企業診断士試験(1次)受験者数・合格率の推移

以下は中小企業診断協会・日本中小企業診断士協会連合会が公表した第1次試験結果を基にした直近5年間の推移です。受験者数は、申込者のうち欠席科目がなく全科目を受験した人数(合格率の算定分母となる人数)を用いています。本稿執筆時点(2026年9月)で確認できる最新のデータは令和8年度分です。

年度受験者数合格者数合格率
令和4年度(2022)17,345人5,019人28.9%
令和5年度(2023)18,621人5,521人29.6%
令和6年度(2024)18,209人5,007人27.5%
令和7年度(2025)18,360人4,344人23.7%
令和8年度(2026)17,829人4,099人23.0%

データから読み取れる傾向

合格率は絶対評価に近く、年度差が出やすい

1次試験は、上位から一定人数を切る相対評価ではなく、総点60%以上かつ1科目でも満点の40%未満がないことを基準とする、絶対評価に近い運用がされています。そのため、その年度の科目別の出題難易度によって合格率が上下しやすく、令和5年度の29.6%から令和8年度の23.0%まで、直近5年でも6ポイント以上の差が生じています。単年度の数値だけで「難化した」「易化した」と断定するのではなく、複数年のデータを並べて傾向を確認することが大切だと考えられます。

受験者数は高水準を維持しつつ、合格者数はやや減少傾向

受験者数は令和5年度の18,621人をピークに、その後は18,000人前後の高い水準を維持しています。一方で合格者数は令和5年度の5,521人から令和8年度は4,099人まで減少しました。受験者数が高水準にある背景として、企業内診断士としてのキャリア形成やリスキリングを目的とする社会人受験者の存在がしばしば指摘されますが、協会が公式に増減の理由を説明しているわけではないため、あくまで一般的な見方として捉える必要があります。

科目合格制度と難易度の実態

1次試験は経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目で構成されます。科目ごとに60%以上の得点を得ると、その科目は「科目合格」として翌年度以降2年間、試験が免除される仕組みがあります。ただし科目合格はあくまで科目単位の措置であり、1次試験そのものに合格するには、その年度に受験した科目全体(免除科目を除く)で60%以上、かつ40%未満の科目が一つもないことが必要です。数年かけて科目合格を積み重ねながら1次試験合格を目指す受験者も少なくないため、単年度の「合格率」だけを見て難易度を判断すると、実態を見誤る可能性がある点に注意が必要です。

なお、科目単位で合格を積み重ねる仕組みを持つ試験としては、税理士試験の受験者数・合格率の推移まとめ|科目別データで見る難易度も知られており、複数年計画で挑む学習スタイルという点で共通する部分があります。

申込者数と実際の受験者数には差がある

中小企業診断協会が公表する統計では、「申込者数」と、実際に全科目を欠席なく受験した「受験者数」が分けて示されています。例えば令和7年度は申込者数26,211人に対し、全科目を受験した人数は18,360人となっており、申込者のうち一部は当日欠席したり、一部科目のみ受験したりしていることが分かります。合格率は、この全科目受験者数を分母として算出されているため、申込者数ベースの数字とは異なる点に注意が必要です。

科目別の得点戦略が合否を左右しやすい

1次試験は7科目の総合点で合否が決まる一方、1科目でも満点の40%未満があると、他の科目でどれだけ高得点でも不合格になります。中小企業診断協会が公表する試験結果では、科目ごとの合格者数(その科目で60%以上を得点した人数)も公表されており、年度によって特定の科目の得点分布が大きく偏ることがあります。こうした科目別のばらつきは、受験指導校の分析でもたびたび指摘されており、特定の科目で高得点を積み上げつつ、他の科目では基準点割れを避ける「守りの得点戦略」を意識することが、年度ごとの出題難易度の変動に左右されにくい学習につながると考えられます。

これから受験する人へのアドバイス

1次試験の学習計画を立てる際は、直近1年分の合格率だけでなく、少なくとも直近5年分の推移を確認したうえで、標準的な学習時間の目安に一定の余裕を持たせておくことが望まれます。特に「経営法務」「経営情報システム」は年度によって難易度の振れ幅が大きいとされる科目であり、得意科目で高得点を稼ぎ、苦手科目でも40%を割らない守りの得点戦略を意識すると、年度ごとの出題難易度の変動に左右されにくくなります。科目合格制度を活用し、複数年で合格を狙う計画を立てるのも現実的な選択肢の一つです。

学習が思うように進まない場合によくある失敗として、7科目すべてを均等な時間配分で進めてしまい、直前期に苦手科目の対策が間に合わなくなるケースが挙げられます。早い段階で模試や過去問を解いて自分の得意・不得意科目を把握し、科目ごとに優先順位をつけて学習時間を配分することが、限られた時間の中で合格ラインに到達するための現実的な進め方だといえます。以下は、受験計画を立てる際に確認しておきたいポイントの一覧です。

確認ポイント内容
直近5年分の合格率単年度の数字だけでなく複数年の推移を確認し、変動幅を把握する
科目免除の有無他の資格・実務経験による科目免除の対象になるかを確認する
得意・不得意科目早期に模試・過去問で把握し、学習時間の配分に反映する
2次試験の受験計画1次試験合格の有効期間(2年間)を踏まえたスケジュールを立てる

よくある質問

Q. 中小企業診断士第1次試験の合格率はなぜ年度によって差が出るか。

1次試験は総点60%以上かつ1科目でも40%未満がないことを基準とする絶対評価に近い運用がされているため、その年度の科目別の出題難易度によって合格率が上下しやすいためと考えられます。単年度の数値だけで難易度を判断せず、複数年のデータを参考にすることが大切です。

Q. 科目合格制度を使うと1次試験合格までの期間はどう変わるか。

科目ごとに60%以上を得点すると、その科目は翌年度以降2年間免除されます。1年で全科目の基準を満たせなくても、複数年に分けて合格科目を積み重ね、残りの科目に集中して1次試験合格を目指すという計画も可能です。ただし2次試験の受験にはその年度の1次試験合格が必要になるため、最終的にどの年度で1次試験合格をそろえるかは事前に計画しておくとよいでしょう。

Q. 1次試験の受験者数は今後も増え続けるか。

直近5年間の公式データでは18,000人前後の高い水準で推移していますが、将来の受験者数を正確に予測することはできません。中小企業診断協会が公表する最新の統計を都度確認することをおすすめします。

まとめ

中小企業診断士第1次試験の合格率は、直近5年間で23.0%~29.6%の範囲で推移しており、科目別の出題難易度によって年度差が生じやすい試験です。科目合格制度をうまく活用しながら、複数年分のデータを参考に、科目ごとの得点戦略を意識した余裕のある学習計画を立てることが、合格への近道だと考えられます。

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